「望んでいた終わり方ではなかった」アルピーヌ早期離脱のオコン、あっさりとした別れでチームに不満?
アルピーヌF1は第23戦カタールGPの終了後、エステバン・オコンとの契約を解除し、最終戦ではジャック・ドゥーハンを起用することを発表した。これに対し、オコンはSNSで別れのコメントを発表したが、望んだ形ではない別れとなったことには不満も隠しきれない様子だった。 【ギャラリー】ニッポンのファンが選ぶ”美しい”F1マシンベスト10 オコンのアルピーヌ早期離脱の可能性は、カタールGPの終了直後に判明したばかりだったが、それから一晩でウワサは現実のモノに。来季からF1デビューが決まっていたドゥーハンの最終戦での起用と、オコンとは即時の契約解除となることが明かされた。 オコンは来季からハースF1へ移籍が決まっており、この契約解除によってハースでの仕事をスタートさせ、最終戦後のアブダビテストにも参加できるとされた。 なおオコンにとってのアルピーヌでのラストレースは、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とフランコ・コラピント(ウイリアムズ)とオープニングラップで交錯してリタイアとなってしまっている。 そして2020年に加入し5年間を過ごしてきたチームからの別れの挨拶は、その期間に反してあっさりとしたものだった。 「我々は、エステバンがこのチームで過ごした時間に感謝するとともに、アルピーヌF1の初勝利を達成したというチームの歴史の一部として残り続ける。エステバンの今後の活躍を祈っている」 オコンはモナコGPでチームメイトのピエール・ガスリーと味方同士で接触したこともあってチームとの関係が冷え込んでいた過去があるが、こうした別れ方には失望を感じているようだ。自らのSNSで発表したコメントに、それが滲んでいた。 「まず最初に、この5年間僕と一緒にレースをしてくれたエンストン、ヴィリー-シャティヨン、そしてコースサイドのあらゆる部門のエンジニアとメカニックの皆に感謝したい」 「僕らはたくさんの物事を共有してきたし、たくさんの人を友人と呼べることを嬉しく思っている。僕はアルピーヌ・ルノーでバーレーン、ハンガリー、ブラジルで表彰台に上り、チームのF1復帰以降最高の結果をもたらしたドライバーだったという誇りを手にして離れることになる」 「2022年にコンストラクターズランキングで4位に入るために貢献できたことも誇りに思う。あの瞬間が皆にとってどれだけ意味のあるものだったのか、そして達成感や喜びをチームと共に感じられたことこそ、僕の持ち帰ったものだった」 そしてオコンはメッセージの中で、2024年シーズンが計画通りにいかなかったことを認めつつも、常に全力を尽くしてきたと語った。 「チームにとって簡単な年ではなかったし、シーズン後半戦は様々な理由で特に厳しかった」 「毎回のセッションで100%を出しきってきたし、後悔はしていない。僕はいつもそうしてきた」 同時にオコンはチームの人達に対して謝罪しており、「きちんとしたお別れ」をしたかったと認めた。 「お分かりのことだと思うけど、計画としては今週末に最後のレースをして、皆に個人的に別れを告げる予定だったんだ。その両方ともを僕は楽しみにしていた」 「こういった終わり方は望んでいなかった」 また後任となるドゥーハンに対してもオコンは言及しており、彼は後輩に「素晴らしいことだけ起こることを願っている」とエールを送り、最後は「メルシー。ありがとう」と綴った。 こうしたオコンの投稿に、アルピーヌは再び簡潔なコメントを送っている。 「チームの歴史に永遠に刻まれるだろう。ありがとうエステバン。幸運を」 オコンの離脱したアルピーヌは、サンパウロGPでのピエール・ガスリーとオコンのダブル表彰台で、一気にコンストラクターズランキング6番手争いに参加。第23戦カタールGP終了時点では、ハースとRBを上回る59ポイントを獲得して暫定6番手となっている。
Anthony Wood