森保J、ミャンマー戦3バック採用“当日通達”…5発圧勝劇導く「新オプション」の裏側【現地発】
W杯アジア2次予選ミャンマー戦でスタートから3バックに初挑戦
森保一監督率いる日本代表は6月6日、2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で敵地でのミャンマー戦に臨み、5-0で勝利を収めた。森保監督は初めてスタートからの3バックに挑戦。攻め上がる時はボランチのMF守田英正が残り、相棒のMF旗手怜央が前線で関与するという可変式のシステムが新たなオプションに加わった。森保監督が3バックのトライに踏み切った裏側に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞) 【写真】「美人すぎん?」「誰?」 日本代表FW中村敬斗の隣に“美女”と話題の1枚 ◇ ◇ ◇ 断続的な雨が上がり、湿度80%を超える蒸し暑い気候のなか、第2次森保政権に新たな引き出しが増えた。指揮官はDF谷口彰悟、DF伊藤洋輝、DF橋岡大樹の3バックにMF中村敬斗、DF菅原由勢の両ウイングバックを配置した3-4-2-1システムの起用に踏み切った。ダブルボランチの守田と旗手、シャドーにはMF鎌田大地とMF堂安律、1トップには身体を張れるFW小川航基をスタメンに送り込んだ。 慣れない布陣と攻守のバランスで試合開始10分はミスも見られたが、徐々にペースを掴んでいく。前半17分にはハーフウェーライン付近でボールを受けた鎌田が左前方のスペースへボールを展開すると、走り込んだ中村がペナルティーエリア内まで切り込んで右足シュートを決めた。“敬斗ゾーン”からの先制ゴール、そこから堂安、小川が2ゴール、仕上げに中村がミドル弾でダメを押して5-0でのフィニッシュとなった。 正直言って、ミャンマー相手にはほとんど守備に回る時間もなかったため、仕掛けがうまくいったことは手放しに喜べる結果というわけでもないだろう。それは選手も口々に「レベルが上がった相手にどこまでできるか」と話している。それでも、自信になったことは確かでここから積み上げていくものだ。 そもそも、森保監督がなぜ3バック挑戦に踏み切ったのか。記憶に新しいアジアカップでは、ベスト8で対戦したイラン相手に痛恨の逆転負け(1-2)を喫した。 敗戦のなかで象徴的となったのが後半だった。押し込まれた展開で流れを切ることも、反撃することもなく、攻撃には手詰まり感が漂った。中盤から縦へボールも入らず、代わって入ったMF三笘薫とMF南野拓実はほとんど何もできず。チャンスを作ることができなかった。この時、指揮官は3バックに踏み切らなかった理由をこう明かしていた。 「3バックにすることやサイドバック(SB)を代えることは、相手のサイド攻撃が圧力になっていたので考えてはいた。耐えていって、できるだけ前線の交代カードを切りたかった。昨日の(準々決勝)韓国とオーストラリアも、オーストラリアが5-4-1にして下がりすぎて“ジリ貧”になった。3バックにしたからといって守備的なだけではないけど、今までは守備的に逃げ切る局面で使っていたので、攻撃の部分でシステムなどを変えたいと思った」