森保J、ミャンマー戦3バック採用“当日通達”…5発圧勝劇導く「新オプション」の裏側【現地発】
攻撃的3バック採用の絶好のチャンスで90分間フルテスト
これまでなかなか、攻撃的な3バックを合宿で練習する機会がなかった。そのため、すでに最終予選進出が決まっている6月は絶好のチャンス。正直、あくまで“オプション”だと受け止めていたので、スタートから90分間フルに試したのは意外だった。 指揮官は「両方とも考えていた」という。前日の会見では「試合途中から可変して」と話していただけに、「スタートからプレーしてもらうことで、よりチームとして形になるかなという判断をして、実は今日、選手たちに伝えました」と、当日に知らせたことを明かした。 もちろん相手のスカウティングもありながらだが、長い時間、すべての交代枠を使ってやり切ったことはピッチ内外の選手にとって収穫となっただろう。特に攻守の切り替え、攻めの時には守田が残り、旗手が前に出る。守備の時には旗手が戻って、固める。鎌田と旗手、堂安は入れ替わりながら柔軟に動いていた部分もあったなかで、基本の戦術は整理されていた。 指揮官は常日頃から臨機応変な対応を選手に求めているが「ポジショニングの立ち位置の基本的なところと誰と誰が基本的に変わっていいということは選手たちに伝えた」と、しっかりと土台を作り上げて臨んだ一戦だった。 実はこのシステム、昨年の9月ドイツ遠征の際に守田が提言していたものにも一致する。守田は「攻撃的な3バックの作り方は、僕は1つ持っておかないといけないと思う。うしろ3枚プラス、ボランチ1枚の4枚で守れるような形で、前に(3トップと両ウイングバックの)5枚プラス間に(ボランチの)1枚みたいなイメージがあれば」と話していた。要するにカタール・ワールドカップ(W杯)ドイツ戦で突如、森保監督が採用した三笘と伊東純也をウイングバックに置く、攻撃的な3バックだ。森保監督、選手ともにこの3バックはオプションで持っておくべきという共通意識が昨年からあった。 アジア杯の際に完成していたらベストだったが、最終予選はここから。攻撃的な3バックだけではなく、世界と戦える“引き出し”をもっともっと積み上げていかなければならない。
FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi