【腰痛を元から治す簡単セルフケア】40代、50代女性に多い腰痛の悩み。そもそも腰痛って?放っておくとなぜよくないの?
OurAge世代の体の悩みの代表のひとつが「腰痛」。病院に行くほどではないからと、だましだまし乗り切っている人も多いのでは? でも症状や原因はさまざま。医師でも原因の特定は難しいともいわれ、すっきり改善しにくいからやっかい。そこで脊椎外科専門医の吉原潔さんに、腰痛の原因や痛みのタイプについて伺った。
体の不調で、男女ともに最も多いのは腰痛
腰痛に悩む人は男女問わず多く、厚生労働省が2022年に行った国民生活基礎調査によると、自覚症状がある体の不調の中でも、腰痛は男性・女性ともに1位で、肩こりが2位という結果が出ている。 さらに、近年のリモートワークの増加からくる運動不足の影響で、腰痛を発症した人がますます増えている印象も…。そもそも「腰痛」といっても症状などは人によってさまざまだが、その定義とは?
「腰痛とは、その名の通り、腰に生じる痛みのことです。腰部周囲の痛みや張りなどの不快感を表し、腰痛症という病名で治療されることが多いです。ただし、実は“腰”がどこからどこまでを指すのかには正式な定義はありません。 背骨(脊椎)は、上から順に7個の頸椎(首)、12個の胸椎(背中)、5個の腰椎(腰)に加えて、骨盤の仙骨と尾骨で形成されています。この腰椎と仙骨のある部分を一般的に“腰”と言い、この部分に表れる痛みが腰痛と言えます」(吉原先生)
腰痛は、発症すると60%以上の人が慢性化してしまう!
腰痛は、痛みが急激に起こるものと、慢性的に続くものとがあり、その継続期間によって以下の3つに分けられるそう。 ・急性腰痛症……発症から4週間未満で治まるもの。ぎっくり腰はこれに含まれる。 ・亜急性腰痛症……痛みが4週間以上~3カ月未満のもの。急性の症状が治らず慢性との中間期。 ・慢性腰痛症……痛みが3カ月以上継続。 「日本整形外科学会・日本腰痛学会の『腰痛診療ガイドライン2019』によると、原因不明の腰痛では、1年経過しても痛みのある人が60%以上に上ります。“腰痛は治りにくい”と言われているように、発症すると60%以上の人が慢性化してしまうのです」