尾上右近&MARIA-E、『ムファサ』劇中歌を生歌唱 Travis Japan 松田元太の“闇落ちボイス”も
公開中の映画『ライオン・キング:ムファサ』の応援上映会が1月8日に都内で開催され、超実写プレミアム吹替版声優の尾上右近、松田元太(Travis Japan)、MARIA-Eが登壇した。 【写真】客席でやり取りする尾上右近と松田元太 本作は、壮大なアフリカの大地を舞台に“生命”をテーマに描いた2019年公開の超実写版『ライオン・キング』のはじまりを描く“兄弟の絆”の物語。オープニング3日間で全世界興行収入No.1となる1億2,220万ドル(※約194億円)を記録。現時点(※1月7日現在)までに興行収入16億1,689万円、114万8,010人を動員している。 多くのファンたちが待つ会場に最初に登場したのは、本作の超実写プレミアム吹替版にて主人公ムファサ役を務めた右近。盛大な拍手で迎えられた右近は、「明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!」と笑顔で挨拶し、「手洗い・うがいをしっかりして、(体調には)お気を付けくださいね」と会場に集まったファンたちを気遣った。また、本作の大ヒットを受けて、「公開するまで夢のようでしたが、たくさんの方から感想の声をいただき、皆さんの目に届いていることを実感する日々です。歌舞伎の人間は休みが少ないのですが、周囲の先輩方に中にも31日や元旦に観てくださった方もいて。大ヒットも嬉しいですし、何より、自分が主役を担当させていただいた作品を多くの方にご覧いただけて嬉しいです」と反響の大きさを喜んだ。 自身が演じたムファサについて、右近は「ひとりぼっちになってしまったところから、いろんな経験をしていくんです。メスライオンとも関わりがあって、タカのお母さんにもいろんなことを教えてもらったムファサは、包容力と判断力がある。柔らかい部分と強い部分が同居していて、器の大きいライオン。それが王になる所以なんじゃないかなと思います」と魅力をアピールし、「サラビに対しては秘めた思いがありましたが、“タカのために”と思ってやったことが、知らず知らずのうちに、自分の魅力に繋がってしまい、サラビと通じ合う。そこが未来の『ライオン・キング』に通じていくんです」とも話した。そのムファサが、冷徹な敵ライオン・キロスから群れを守るため、タカと共に新天地を目指す中で、後の妻となるサラビと仲を深めていくシーンにも注目してほしいと語った右近。 そこへ、サラビ役の超実写プレミアム吹替版声優を務めたMARIA-Eも駆けつけた。ムファサの魅力について問われたMARIA-Eは、「圧倒的王者の器。そして、立ち姿もとても好き。女性は惚れてしまうような存在ですよね」とコメント。右近は、「ムファサは器の大きさや前に進む力がある一方で、支えてあげたいと思わせたり、母性本能をくすぐったりするような隙もある。そういうところが、サラビは惹かれるのではないですかね。そしてサラビは、完全ではないムファサに気づきを与えてくれたりする存在で、そんなサラビにムファサは惹かれていくのではないかと思います」とコメント。 ムファサとサラビにまつわるトークが盛り上がったところで、物語の中で、次第に惹かれ合っていくムファサとサラビの想いを歌った劇中歌「聞かせて」を、右近とMARIA-Eが生歌唱。静かに心を通わせ合う劇中のムファサとサラビかのように、時折見つめ合いながら、美しいハーモニーで観客たちを魅了した2人。右近は「何度でも一緒に歌わせていただきたいと思う曲。自分の孤独を打ち明け、サラビと出会えた喜びを表現する、多幸感溢れる曲。歌っていてもあったかい気持ちになりました」、(MARIA-E「顔を合わせて歌うのは、これが2回目ですが、全然歌い足りないです!何回でも歌いたいです!」とそれぞれ語り、笑顔をみせた。 余韻が冷めやらない中、会場内に突如、「オレに兄弟はもういない。溺れていたお前を助けてやったオレが今、溺れもがいている。この怒りは決して忘れない」と不穏なセリフが響き渡り、ムファサの弟タカ(後のスカー)役の超実写プレミアム吹替版声優を務めたTravis Japanの松田が観客席側から登場した。タカの魅力について、松田が「後にスカーと呼ばれるタカは、かわいらしさを持っていますが、グラデーションというか、闇落ちしていくところが魅力」と語ると、MARIA-Eは「不器用ですよね。そこが愛らしいというか、どこか憎めない。みんなに愛されるキャラクターなんですよね。そこからの闇落ちに興奮しますね。カッコいいし、萌えポイント」とコメント。右近も「純粋で、真っすぐで。“回線が3つしかないのかな?”というくらい、いろんな方法を知らないライオンなのですが、そこが良い!」と同調し、「“げんげん(松田)”も、闇落ちしそうになったら言ってね!(笑)」と笑顔でコメント。松田が「言います!」と即答し、会場を笑わせた。 次第に悪に転じていく難しい役どころを演じた松田は、タカを演じる上でのこだわりを「かわいらしい一面もありますが、スカーになる瞬間だったり、変わっていく過程はより大事に声で演じたいなと思いました。世界中の『ライオン・キング』ファンや、ディズニー作品を愛している方に“傷”をつけないように。皆さんが“スカー状態(闇落ちしたスカーの状態)にならないように、大事に、丁寧に、演じさせていただきました」と話す。そんな松田の演技を、MARIA-Eは「声の表現の幅がすごい。普段の声は特別低いわけではないのに、この音域の広さ。歌から繋がっているんですかね」と大絶賛。右近も「心がこもっているのが伝わってきますよね。“げんげん”は以前、誰よりもタカに寄り添ってタカに愛情があると言っていたが、本当にその通り! 技術だけではなく、気持ちを注ぐことをやり切ったんだなと。“げんげん”の違う一面にビックリされると思いますよ」と称賛すると、続けて、「(もう一回闇落ちボイスを聞かせていただきたいですけれども……みんなも聞きたいですよねー?」と目を輝かせ、本作のイベントでは恒例となっている“ムファぶり(=ムチャぶりの意)”を披露。 突然のフリに驚きの表情を見せつつも、松田は瞬時に役に入り込み、「俺には何もない ムファサが全てを奪った」と本編にも登場するセリフを披露した。松田が「ムファぶり緊張するよ~先に言ってくださいよ!」とリアクションすると、右近は「良かったよ!」と松田の演技力の高さを称賛した。会場内が熱気に包まれる中、続いてMARIA-Eが、「(最後に“兄弟の絆”を感じるあの曲、聞きたいですよねー?」と右近と松田にさらに“ムファぶり”。2人は、これまでイベントやTV番組などでも繰り返し歌ってきた劇中歌「ブラザー/君みたいな兄弟」を生歌唱。本物の兄弟かのように仲睦まじかった頃のムファサとタカを思わせる息の合ったパフォーマンスに、観客たちもノリノリの手拍子で応対。イベントの締めくくりに相応しい大きな盛り上がりをみせた。歌の感想を問われると、「新年良い幕開けになりました。良い年になること間違いなし。楽しかったね。今日はいつもと違って、大人な感じだったよね」(右近)、「僕も同じこと考えてた! ムファサとタカみたいに、この曲を歌うたびに、僕たちの絆も強くなっているのを実感します」(松田)と引き続き息ぴったり。それぞれ「歌舞伎の準備するときにも聞いています」(右近)、「ライブの日、シャワー浴びるときにも聞いてます」(松田)と楽曲への愛をアピールし合った。 最後に3人それぞれ、映画を楽しみにしているファンに向けて、「愛を持ってたくさんの方に届けられるよう、自信を持って挑戦しました。個人としても勉強になった部分がたくさんありましたし、改めてディズニーが大好きになったし、ライオン・キング』もより大好きになりました! あったかくて切ない『ライオン・キング:ムファサ』をたくさんの方に観てほしいです」(松田)、「他人ごとってないんだよということを強く伝える作品です。それをムファサが身をもって知っていて、みんなに気持ちを共有していくことで、世界が少しずつ変わってひとつになる。そして、その役を担ったムファサは王になっていく。新たな年を迎えた今、背中を押してくれる最高のエンターテイメントです。もう観た方にはもう1度観ていただきたいですし、観ていない方は“なにやってんの!?”と言いたいくらい、たくさんの方に観ていただきたいです!」(右近)とメッセージを贈り、イベントは終了した。
リアルサウンド編集部