【UFC】朝倉海がフランス王者と合流、かつてない規模で王座戦へ「タイトルマッチをすることがゴールじゃない」
UFC世界フライ級王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)に挑戦する朝倉海(ジャパントップチーム)が、新たなスパーリングパートナーを日本に招聘した。 【写真】朝倉海とマススパーで向き合うと、若干の厚みを感じさせるフライ級のアルジャウジだ JTTのビリー・ビゲロウコーチが現UFC世界バンタム級王者のメラブ・ドバリシビリをメンションして周囲をザワつかせた朝倉のスパーリング動画の相手は、現『Hexagone MMA』のフライ級王者ミケール・アルジャウジ(フランス)だった。 このフランス王者はMMA12勝3敗の27歳で、2021年に現UFCのアザト・ マクスム(カザフスタン)に判定負けも以降は5連勝中で、2024年11月にはノヴァウニオンのペドロ・ノブレ(ブラジル)を相手にHXMMA王座の防衛戦を控えている。欧州の同級ではトップ3に入る強豪だ。 身長170cmで、172㎝のパントージャと同体格のオーソドックス構えのファイター。6KO・TKO勝利に加え、腕十字、キムラで3つの一本勝ちもマークしている。 2024年12月7日(日本時間8日)の『UFC 310』(米国ラスベガス・Tモバイルアリーナ)のコ・メインでパントージャに挑戦する朝倉海は17日の会見で、今後のファイトキャンプについて、「11月の末ごろに日本を出発して、ラスベガスの多分、UFC PI(UFCパフォーマンスインスティチュート)で調整する予定です。それまでは日本にすでに呼んでいるトレーニングパートナーもいるんですけど、日本にトータル3人くらい呼ぶ予定で、そのメンバーにも来てもらうのと、あとはアメリカでも手伝ってもらえる予定の人もいます」と語っていた。 すでにタイ合宿では「デイナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ」に出場したマンド・グディエレス(※11月4日『DEEP 122 IMPACT』で後藤丈治と対戦)を招聘。近く日本にも合流するとし、JTTでは神龍誠、ONEで活躍中の柔術家の石黒翔也、トミー矢野らが練習に加わっていることを明かしている。 そこに新たに加わる海外の選手の名前を問われた朝倉は「まだちょっと言えないですね」と伏せていたが19日、SNSで2ショットを公開した。 バックが強い柔術家のグディエレスに比べ、アルジャウジは腕関節の極めは強いものの、スタンドにおいて左右の強打も含めパントージャを彷彿とさせる圧力を持つ。 5Rにわたり前進し続ける“仮想・パントージャ”を、海外勢を相手に、ともに試合に向かう緊張感のなかで体感することで、朝倉はオクタゴン本番で違和感なく戦うことができるだろう。 会見では「パントージャの所属するアメリカントップチーム(ATT)には堀口恭司選手もいるので、情報が入ると思いますが、4年前に堀口選手と戦ったときと一番違うところは?」と問われ、「いや、もう変わりすぎて、何だろうな比べられないですね。打撃にしてもレスリングにしても寝技にしても、もう別人くらい強くなってるんで。やっぱり海外のコーチ(エリーケーリッシュ&ビリー・ビゲロウ)が日本に来てくれたことがすごく僕の中で大きくて。1回、怪我して1年半離脱して、久しぶりに(2023年5月)元谷(友貴)選手と試合をしたんですけど、その試合から僕全然違うと思うんですけど、本当にあの頃と全然違うぐらい成長してるんで、その分析は意味がないのかなっていう風に思います」と、自信を見せていた。 その自信を裏付ける王座戦への万全の準備。 「出場することがゴールじゃないし、タイトルマッチをすることがゴールじゃないんで。ずっと言ってますけど世界チャンピオンになることが大事だから」──自ら海外合宿で切り拓いたJTTの原点ともいえるラスベガスでの戦いに向け、朝倉は日本人ファイターとして、かつてないスケールで王座への道を進む。
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