世界的なファッションデザイナーとして知られるジョン・ガリアーノ。そのドキュメンタリー映画『High＆Low -John Galliano（原題）』が、邦題を『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』として9月20日より全国公開される。 　ジョン・ガリアーノは1995年にジバンシィ、96年にクリスチャン・ディオールと、世界的ブランドのデザイナーに次々と抜擢され、ファッション界の至宝と称えられた“ファッション界の革命児”。しかしながらキャリアの絶頂期だった2011年2月、反ユダヤ主義的暴言をカップルに向けて吐く動画が拡散。その後有罪となり、ブランドから解雇されるという転落を味わった。 　本作は、事件から13年たったいま、ガリアーノ本人がカメラの前に座り、「洗いざらい話す」というドキュメンタリー映画。大胆なスタイルで世界中を魅了していったガリアーノの栄光の道程を、デビューから各ブランド時代の超豪華なコレクションを収めた貴重なアーカイヴ映像と共に振り返りながら、ガリアーノを診断した精神科医、いまも心の傷が癒えないという事件の被害者にもカメラを向ける。 　監督は、『ブラック・セプテンバー／五輪テロの真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したケヴィン・マクドナルド。年32回のショーを抱え、超人的な仕事量をこなしながら、相次ぐ大切な人の死、さらにアルコール依存症が加速していたガリアーノ。「ゆっくりと死に向かっていた」と自ら暴露する、その闇に迫る作品となりそうだ。