【ABC特集】スムーズに進まない万博のパビリオン建設・・・一体なぜなのか? アルメニアのパビリオン「タイプA」建設断念に至るまで密着したらその理由が見えてきた
【編集後記】(万博担当:岡谷藍、宮本華) 2025年大阪・万博で独自建設の「タイプA」パビリオンを出展する国は、当初約60か国ありましたが、変更や撤退が続き、40か国ほどまでに減る可能性が指摘されています。 なぜこんなにも建設が遅れるのか。タイプ変更や撤退が止まらないのか。参加国のパビリオン建設の実態を知りたいという思いから今回の取材がスタートしました。 準備の裏側をのぞいてみると、それぞれの国の事情で問題が多岐にわたることを実感しました。 日々上がり続ける人件費や資材費の高騰などで、出展国の予算と建設会社の見積もりの折り合いがつかず、なかなか着工まで進めない国は少なくありません。また、国内だと比較的スムーズに進む契約の話も、海を越えた遠い国と、言語の壁もある中で、やり取りに時間を要します。 さらに、日本もまたそうであるように、参加国はそれぞれ政治や財政上の国内事情を抱えています。政権交代や大がかりな選挙、また戦争や災害などにより、万博の準備に時間や予算をあてられず、タイプAを断念・撤退する国が複数ありました。アルメニアも着工目前まで進みましたが、本国で発生した災害が決定打となりタイプCに変更となりました。
それでも各国を取材すると、世界の国々が一堂に会する万博への参加意欲はとても高いのです。「自国をアピールしたい」という思いを強く感じます。 建設会社が決まっていない国は6月26日現在で10か国。タイプAのままで進むのか、それともタイプXやCに移行するか、はたまた撤退か。各国はいま、決断の時を迎えています。