マクラーレン26年ぶりの載冠を喜ぶノリス。しかしカオスな1周目に冷や汗「ルクレールのジャンプアップを見て、ナーバスになったよ」
F1アブダビGPでランド・ノリス(マクラーレン)が優勝したこともあり、マクラーレンはコンストラクターズタイトルを獲得したが、ノリスは1周目を終えて「ナーバスになった」と語った。 【リザルト】F1最終戦アブダビGP:決勝結果 フェラーリを21ポイントリードし最終戦を迎えたマクラーレン。予選では3番グリッドのカルロス・サインツJr.(フェラーリ)を抑えてフロントロウを独占したことで、タイトル獲得に向けて盤石な体制を整えているように見えた。 しかしオスカー・ピアストリがスタート直後の1コーナーでレッドブルのマックス・フェルスタッペンと接触しスピンすると、一気にフェラーリのプレッシャーにさらされるようになった。フェラーリはサインツJr.がノリスの独走を許さず、19番手からのスタートだったシャルル・ルクレールも1周目を終えて8番手までリカバリーしていたのだ。 ルクレールはその後も力強い走りでサインツJr.に次ぐ3位でフィニッシュ。フェラーリはダブル表彰台を獲得したものの、ノリスが優勝を果たしたことで逆転はできず、マクラーレンが1998年以来となるコンストラクターズタイトル獲得を果たした。 ノリスは、ヤス・マリーナ・サーキットの大型スクリーンに映し出された映像を見て、ルクレールがすぐに8番手にジャンプアップし、ピアストリが上位争いから脱落したのを知り、ナーバスになったと認めた。 「TV画面を見ていたら、シャルルが1周目で8番手につけているのが見えた。だから少しナーバスになったよ!」 レース後、ノリスはそうニヤリと笑った。 「でも落ち着いて、自分のことに集中するしかないと思ったんだ」 「カルロスは決して離れなかった。第1スティントでは最大4.2秒の差がついたけど、これは僕の考えではあまりいいギャップじゃない。僕としてはちょっと近すぎたんだ」 「それでもトリッキーなレースには変わりないし、ピットウォールやガレージでは、何が懸かっているのかわかっているだけに、もっとナーバスになっていた人たちもいただろうね」 「僕はアドレナリンが出ていたし、集中できた。彼らにとっては、ただ座ってスクリーンを見ているだけだから、何がうまくいっていないかとか、そういうことを考える時間がもっとたくさんあるんだ」 「オスカーはすごく不運で、ターン1で脱落してしまった。だから一瞬、『ああ、もうダメだ』って思った。でも、落ち着いて集中し続ければ、自分のやるべきことをやり遂げられるとわかっていたんだ」 ノリスは、マクラーレンが26年ぶりのコンストラクターズタイトルを獲得し、勝利の道を取り戻す一翼を担えたことを「信じられないほど誇りに思う」と語り、サーキットやファクトリーのスタッフに賛辞を送った。 「僕たちが26年ぶりにチャンピオンになったということの全体像は、マクラーレンという名前を聞いても思い浮かばないだろう」 「マクラーレンが26年間チャンピオンになれなかったというのは間違っているような気がする。でも、僕がその一部になれたこと、オスカーがその一部になれたことは、僕たちにとって信じられないほど誇らしいことなんだ」 「そして、それをチームにもたらすことで、誰もが最高の笑顔を浮かべることができた。これはマシンを設計し、マシンを作った人たち、パートナーのすべての人たちに返せる最大の報酬だ。みんなが大きな役割を果たしてくれた」 「もちろん、このような(優勝という)形でシーズンを終えることができて嬉しいが、自分のことよりもチームのことのほうがずっと嬉しい」
Filip Cleeren