歯周病治療でよくあるトラブルへのQ&A 問題の原因から対処法まで解説
歯周病治療でもしトラブルが起こったら、どうしたらいい? 患者さんができる対処法について
編集部: 歯周病治療中・治療後に何かトラブルが生じた場合、患者さんができる対処法があれば教えてください。 辻先生: 最も重要なのは、担当医とよくコミュニケーションをとることです。痛みや腫れ、歯がグラグラする感覚など、自分が感じている症状や気になっていることは、すべて担当医に伝えるようにしてください。 そのうえで、それに対する担当医の考えや意見、今後の対応などを確認してみましょう。 編集部: もし、担当医の説明や対応に納得がいかない場合はどうすればいいでしょうか? 辻先生: その場合は、セカンドオピニオンを求めてほかの歯科医に相談するのも方法の1つです。例えば、患者さんの訴えに対して適切な説明がない、または関係のない部分の治療ばかりしているように感じる場合は、別の歯科医院を検討してもいいかもしれません。 編集部: つまり、まずは担当の先生によく確認し、それでも納得がいかない場合はほかの歯医者さんに相談してみるということですね。 辻先生: はい。可能であれば、このプロセスは早めに行動することが大切です。治療が進めば進むほど、歯科医院を変えるのは難しくなっていきます。 患者さんの話をよく聞いて、適切な説明をしっかりしてくれる歯医者さんを見つけることが、歯周病治療を成功につなげるカギといえます。 編集部: そのほかに、歯周病治療に際して患者さんに注意してほしいこと、気をつけてほしいことがあれば教えてください。 辻先生: 歯周病治療では、患者さんが想定していた以上に広範囲な治療を求められることも少なくありません。歯周病は歯ぐきと骨に関わる病気ですから、むし歯のように1本単位ではなく、お口全体を1つの臓器ととらえて治療する必要があります。 このような包括的なアプローチも治療が長く感じる要因の1つですが、中途半端な治療では効果が限られてしまうため、多少時間はかかっても根気よく治療を続けていただきたいと思います。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 辻先生: 歯周病治療の成功には、患者さんと歯科医療従事者の双方の協力が不可欠です。自分だけ頑張っても、歯医者さんだけが頑張っても、十分な治療効果は得られません。 大切なのは、歯科医や歯科衛生士が患者さんに正しい方向を示すこと、そして患者さんがその指示に従って実際に行動を起こしていくことです。この協力関係を大切にしながら、ともに歯周病治療に取り組んでいただきたいと思います。