これってどうなってるの? 不思議がいっぱい「レアンドロ・エルリッヒ展」
窓の向こう側にもう一人私がいる? 私は今、「失われた庭」という作品の一部になっています。 今、森美術館(東京都港区・六本木ヒルズ)で開かれている、「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」は、そんな不思議な作品が楽しめる美術展です。 同展は国際的に活躍するアルゼンチン出身のレアンドロ・エルリッヒ氏の四半世紀にわたる活動の全内容を紹介する、世界でも最大規模の個展。日本では、金沢21世紀美術館にある「スイミング・プール」はご存知の方も多いのではないでしょうか? また、同展は観るだけでなく、観客はその作品の一部となり、参加、体験ができるものが多いのが魅力。16日に一般公開に先駆けた報道機関向け内覧でその一部を体験してきました。「あれ? 不思議」「どうなっているの?」と思わせる展示の一部を紹介します。
本田望結、紗来姉妹も体験 不思議な世界
内覧会に登壇した、フィギュアスケート選手でタレントの本田望結、紗来姉妹が「建物」の中に登場します。今度は大胆なアクションに挑戦、なんでしょうか? 妹がお姉ちゃんを引っ張りあげるなんて、危険すぎます。 しかし、じつはこれにはカラクリがあるんですね。私も体験してみました。
建物の窓枠にぶら下がっている非常に危険な状態なのですが、笑顔でいられる理由は……。危険ではない状態ってことですね。
じつはこの建物は床に水平に置いてあって、垂直に立てられた鏡に映っているのが、先ほど登場した本田姉妹の写真なのです。つまり作品の中に横たわりながら、一見落ちそうで怖い写真が撮れるのです。 「重力に逆らってみたい」という、誰もが一度は考える願望を叶えてくれそうな作品です。
「うわーっ、落ちる―」なんて、迫真の演技で、思わずはしゃいでしまいますね。インスタ映えもしっかり狙えます。 ほかにも自分が映る鏡とそうでない鏡が混在する「美容室」、まるで迷宮にいるような、どこまでも続いて見える「試着室」、廃墟化した学校の教室に、自分の姿をぼんやりと幽霊のような姿で登場させることができる新作「教室」など、初期の頃から新作まで40点以上の作品が展示されています。