学校給食の9割が「瓶牛乳」“最後の砦”信州でも…老舗メーカーが瓶から紙パックへ 瓶の値上がり、機械の老朽化 惜しむ声相次ぐ「さみしい」「ありがとう」
さらにー 再利用するため、瓶を洗う「洗瓶機」。老朽化で維持費がかさんでいます。 松田乳業・松田邦正社長: 「3年に一度くらいは大掛かりな修理をしなければ。400、500万円すぐかかってしまう」 製造ラインを修理できる業者も既に廃業していて、壊れたら再開は容易ではありません。そこで紙パックの牛乳に切り替えることにしたのです。 松田乳業・松田邦正社長: 「意外とね、あまり感じないですよ。これで楽になるかなと。あそこ壊れた、ここ壊れたとかね、そういう苦労がなくなるかなって」
■県内の学校給食は9割が瓶牛乳だが
農林水産省の調査によりますと、県内の学校給食で「瓶牛乳」を提供している割合はおよそ92%。 一方、他の都道府県は逆でほとんどが紙容器です。 県乳業協会の会長でもある松田社長によりますと、県内は瓶の「再利用」に意義が見出されてきましたが、近年は安全のため瓶の入れ替えが頻繁で、洗剤や燃料を考えると一概に「エコ」とは言えないということです。
■「瓶」終了 反響大きく
しかし、1カ月前、SNSで「瓶」の終了を伝えるとー。 (SNSの反響) 「瓶じゃなくなるなんて寂しすぎます(涙)」 「ビックリして大声出してしまいました。これも時代の流れなのでしょうか」
給食を終え、児童が牛乳瓶を洗い始めました。 児童: 「おうちにもって帰ります、ママたちに見せるから」 「また牛乳入れて飲む!」 「大人になるまでとっておく」
工場でもー スタッフ: 「遠くからわざわざ、ありがとうございます」 瓶牛乳26本を購入―。 神奈川から旅行中: 「泊ってたホテルですごく牛乳がおいしかったので」 「きのう伺って、瓶が最後と聞いたので」 「昭和っぽくてかわいいなって感じたので洗って何かに使おうかな」
■最終製造日 社長は機械を労う
最後の給食から4日後、ついに最終製造日を迎えました。 気苦労がなくなると話していた松田社長ですがー。 松田乳業・松田邦正社長: 「ようやくきょう、この機械も無事つとめあげてくれて卒業を迎えた。非常に感慨深いものがありますね」