ドイツの工業力が生んだ「狂気」の自動車デザイン ゲルマン魂が光る奇妙なクルマ 30選 前編
メルクスRS1000(1969年)
ソ連占領下のドイツで誕生したRS1000は、デザイナー兼レーシングドライバーのハインツ・メルクスの発案によるものだ。メルクスはフェラーリ250 GTOから多大なインスピレーションを得てRS1000を設計したが、排気量1.0Lのエンジンではイタリアの駿馬には敵わなかった。 メルクスは、1951年にフォルクスワーゲンのシャシーを使って自動車設計に足を踏み入れ、その後1986年までの30年間、シングルシーターやスポーツカーを数多くデザイン、生産してきた。 RS1000のデザインは最終的にお蔵入りとなったが、2006年にメルクスの息子がRS2000と名付けた新モデルを発表した。RS2000は先代の特徴を受け継ぎつつも、ロータスのような体格を持ち、2009年から2012年まで生産された。
AUTOCAR UK(執筆) 林汰久也(翻訳)