ロッテ・種市篤暉「今井選手のスライダーが速いので、そのイメージで投げた」前回登板で収穫を得た縦に落ちるスライダー
「いつも通り自分のできるピッチングをして、チームの勝利に貢献できるように頑張ります」。 ロッテの種市篤暉が18時から行われるオリックス戦に先発する。 前回登板の6月22日のソフトバンク戦は6回まで75球を投げ、2被安打、4回からの3イニングは三者凡退に片付け、9つのアウトのうち6つのアウトを三振で奪った。完封勝利が見えた1-0の7回に先頭の栗原陵矢を右飛に打ち取ったが、続く山川穂高に粘りに粘られ11球目に死球を当ててしまうと、近藤健介にも2ボール2ストライクからの10球目のストレートをレフトへ二塁打を許す。ここを踏ん張りたいところだったが、柳町達に犠飛を打たれ同点に追い付かれる。1-1の8回はわずか4球で2アウトとしたが、周東佑京に1ボールからの2球目のストレートを右中間スタンドに放り込まれると、栗原に適時二塁打を浴び、7回2/3・122球を投げ、6被安打、9奪三振、1与死球、3失点で敗戦投手となった。 種市は前回登板について「7回に関しては特にボールが悪かったわけではなく、強いていうならスライダーが全然決まらなかった。ちょっと良くなかった点だと思います」と冷静に振り返り、「山川選手、近藤選手に対しても、スライダーをカットされていたので、データを見ても縦変化があまり出ていなかった」と反省。「そこ(スライダーの縦変化)は疲れてきたらこうなるなというのは頭に入れて次の試合は投げていきたいと思います」と、オリックス戦に向けての修正を誓った。 スライダーを反省した種市だが、1-0の5回二死走者なしで廣瀬隆太を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた縦に落ちるスライダーはいつもより球速が速くなったように見えた。 種市本人に確認すると、「あれは速くしました」と明かした。「40、41キロは出ていましたね。全力でスライダーを投げたことがなかったので、全力で投げてスピードを出した中で空振りが取れたのが、収穫だったかなと思います」。 なぜ、縦に落ちるスライダーを速くしようとしたのかーー。 「今井選手のスライダーが速いので、そのイメージで投げたという感じですね。彼は145キロくらい出るんですけど、はい」。 スライダーでいえば、今季は左打者に対してストレートとフォークが多かった中で、1-0の5回無死走者なしで柳町に1ボールから投じた2球目のバックドアのスライダーでストライクを奪った。あれは狙って外角に投げたのだろうかーー。「そうですね、外構えだったのでいいところに投げられたと思いますし、バッターの反応もすごい良かったので、続けていけたらなと思います」。 種市、最大の武器であるフォークは「比較的良かったかなと思いますけど、あんまり投げていなかった。正木選手のフォークボールは良かったかなと思います」とのこと。 また、ストレートについても「ストレートというかその日自体、初回投げ終えた時点で全然良くなかった中で、2回以降すごい修正できたのが僕の中でいちばんの収穫かなと思います」と好感触を得た。 前回の登板から1週間――。チームは現在3連勝中。それも、西野勇士、中森俊介、小島和哉と先発投手に勝ちがついた。「毎回言っていますが、長いイニング、三振も取りたいです。まずは僕の中では初回だと思っているので、初回の入りを大事にしすぎないように。自分の持っている力を出せるように頑張っていきたいと思います」。今夜もワクワクした投球でオリックス打線を封じていく。 取材・文=岩下雄太
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