【MLB】 2024MLBドラフト展望 全体1位候補の一角は“ネクスト大谷” 注目の二刀流カグリオン
日本時間7月15日(月曜日)の朝8時から、2024年のMLBドラフトがスタートする。今季のドラフトクラスは不作と評価されることが多く、飛び抜けた候補は不在と言われている。しかし、ドラフト最上位層には依然、興味深い才能が揃っている。今回は全体1位指名の有力候補ジャック・カグリオンについて紹介する。カグリオンは“大谷の後継者”となり得る二刀流の怪物だ。 【MLB】 2024MLBドラフト展望 全体1位候補に突如現れたダークホース、ウェザーホルト ガーディアンズは契約金を分散させるか? 前回までの記事ではトラビス・バザーナとチャーリー・コンドンというトップ2評価を受ける好打者と、最近になってダークホースとして現れたJJ・ウェザーホルトの3人を全体1位候補として紹介した。今回、紹介するのは『MLBパイプライン』のドラフト有望株ランキング3位に付ける、フロリダ大の一塁手兼投手ジャック・カグリオン。カグリオンは純粋な野球選手としての才能、スケールという点では今ドラフト最高と言っていいだろう。『ESPN』は全体1位の可能性を「ウェザーホルトが45%、バザーナが40%、カグリオンが10%、コンドンが4%」と予想しており、まだカグリオンの目も残されている。 カグリオンが“ネクスト大谷”、“大学の大谷”、“ジャクタニ”といった大谷翔平絡みの異名を多く持つ理由は明らかだ。カグリオンは身長196センチの巨躯から最速99マイル(約159キロ)の速球を投げ、打球初速119マイル(約192キロ)の本塁打を打つことができる。他にそんなことができるのは大谷くらいしかいないだろう。 ただ、プロの世界でもカグリオンが二刀流を継続できるかについては、多くのメディアが疑問を呈している。カグリオンの打者としての成熟に、投手としての成熟が追いついていないためだ。カグリオンは今季の66試合で打率.419、自己ベストの35本塁打、OPS1.419の好成績をマーク。三振を半分以下に減らした一方、四球を3倍近く増やすなど、圧倒的なパワーはそのままに打者としての完成度を高めた(ボール球に手を出す悪癖はあるが)。 一方、投手としては16先発で防御率4.76と苦戦。100マイルに迫る速球を持ち、チェンジアップのキレも良いが、いかんせん制球力が未熟なままだった(与四球率6.1)。あるスカウトの「打者としては1巡最上位、投手としては2巡レベル」というカグリオン評は正鵠を射ている。 しかし、当のカグリオンはプロの世界で二刀流をやることに意欲を見せている。参考にしているのはもちろん大谷だ。「翔平は間違いなく、私が注目してきた選手だ。彼の勤勉さや物事の進め方は大学シーズンを乗り切る上で本当に助けになった」と語っている。カグリオンはトミー・ジョン手術によって大学の1シーズンを棒に振っており、投手としてはまだ経験不足なのは確か。今季は成績に現れないまでも投手としては徐々に成長しており、MLBの舞台で二刀流も決して夢ではないだろう。そして、もし二刀流が成らなかったとしても、40本塁打級のポテンシャルを秘めるパワーヒッターとして活躍する可能性が高いはずだ。