【独自解説】『火星の石』は大阪・関西万博に“一石”を投じられるか?関係者からは「目玉ではない」の声も…カギは、人類にとって重要な惑星の“物語”を紡げるか―
2024年9月17日、大阪・関西万博での展示が正式に発表された『火星の石』。万博に様々な課題が指摘される中で、“一石”を投じられるのか?「行ってみたい」と思える万博に必要な“物語”とは?現場の取材を続けている、『読売テレビ』平田博一記者の解説です。 【動画で見る】55年の時を経て、目玉は「月」から「火星」に?大阪・関西万博で「火星の石」展示へ 発信力不足の万博に“一石”を投じられるか!?
■地球から火星まで、新幹線で21年⁉各国が探査に乗り出す注目の惑星『火星』
国立極地研究所の分析によると、今回の『火星の石』は約1000万年前に火星を離れ、その後かなり長い年月をかけて、地球に到達したのが約数万年前といわれています。 実は、発見したのは日本の観測隊で、2000年に南極の『昭和基地』近くで採取されました。火星に関する隕石としては、世界最大級だということです。
『火星の石』を保管している国立極地研究所の担当者によると、「『火星の石』は火星に水があることを証明する、とても意義のあるもの」だということで、“人類が火星に進出する夢に一歩近づくものではないか”という期待の声があがっています。水があることは、人類にとって、非常に大切なことだからです。
火星は地球の半分ぐらいの大きさで、氷点下130℃~30℃ぐらいの気温を維持していています。 また、各国は今、火星の探査を進めていて、少し遠い将来かもしれませんが、「人類にとって非常に重要な惑星ではないか」ということで、アメリカなどの大国が調査を続けています。 地球からの距離は、ここ最近最も近づいた時で、なんと約5700万km。「遠すぎてわからない」かもしれませんが、時速約300kmの新幹線でずっと走り続けたとしても、21年かかるほどの距離です。 ちなみに、1970年の大阪万博で注目を集めた『月の石』ですが、月と地球の距離は時速約300kmの新幹線で2か月ほどですので、この半世紀で人類の研究がいかに進んだかということがわかるかと思います。
■ことしに入り急浮上も「目玉ではない」?前売り券販売が低調な中、『火星の石』が一石投じるか!?
実は、『火星の石』を万博で展示するという話は、2024年に入って急浮上したということです。関係者に取材したところ、経産省の役人さんが「今までなかなか公開されていないもので、何か注目を集めるものがないか」ということで、この『火星の石』に目をつけたということです。
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