ビットコイン技術をより簡便、高効率、安全に──BitVM2発表のロビン・ライナス氏
ブロックチェーンとして最古かつ元祖であるビットコインをよりプログラマブルにする理論的手法で、昨年の暗号資産(仮想通貨)技術界を震撼させた開発者のロビン・ライナス(Robin Linus)氏が、「BitVM2」と呼ぶ第二弾を発表した。今回は、そのコンセプトをより現実のものに近づける劇的な改良を誇示するものとなった。 ライナス氏が5人の共著者とともに現地時間8月15日に発表したホワイトペーパーによれば、基本的なセットアップには、暗号を使用してプログラムをサブプログラムに圧縮し、ビットコインのトランザクション内で実行できるようにすることが含まれる。 プログラムはその後、3回のオンチェーン・トランザクションを経て、基本的に不正行為や盗みを働こうとする者がいないことを確認する「検証」がなされる。共同設立者の一人で、BOB(Build on Bitcoin)と呼ばれるプロジェクトで別働するアレクセイ・ザミャーチン(Alexei Zamyatin)氏によれば、以前のバージョンでは、検証に70トランザクション以上かかることもあったという。 新バージョンの主な改良点は、「パーミッションレス・チャレンジ 」という機能で、誰でも疑わしい取引に疑問を呈することができることだ。昨年10月に発表されたものの実用化されることはなかったオリジナルのBitVMでは、チャレンジを開始できるのは決まったオペレーターだけだった。 ザミャーチン氏はCoinDeskとのビデオインタビューで、「この設計により、こうした大きな改善がもたらされた」と、また「我々は今、BitVMパラダイムを完全かつ全面的に書き込んだものを手にしている」と述べた。 ライナス氏は、スイスのツークを拠点とする非営利団体ZeroSync Associationの中心人物である。共著者には、ザミャーチン氏の他、ルーカス・オーマイヤー(Lukas Aumayr)、アンドレア・ペロシ(Andrea Pelosi)、ゼタ・アヴァリキオティ(Zeta Avarikioti)、マッテオ・マフェイ(Matteo Maffei)の各氏が名を連ねている。