ブロックチェーン・マントラが10億ドル相当の現実資産をトークン化する計画──UAE拠点の不動産企業DAMACと提携
トークン化された現実資産(RWA)向けに設計されたレイヤー1ブロックチェーンであるマントラ(MANTRA)は、アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とする不動産コングロマリットのDAMACグループ(DAMAC Group)と、同社の資産のうち少なくとも10億ドル(約1550億円、1ドル155円換算)をブロックチェーン上に導入する契約を締結した。両社が9日のプレスリリースで発表した。 この契約により、投資家は不動産開発、ホスピタリティ、データセンターなど様々な分野にまたがるDAMACのポートフォリオ企業に資金を提供することが可能になる。資産トークン化により、両社は伝統的な投資プロセスを合理化し、個人投資家と機関投資家の両方にとってのアクセスしやすさを向上させることを目指している。 DAMACのどの資産がトークン化されるかの詳細や募集の条件については今後数週間で発表されるとマントラの広報担当者はCoinDeskに述べた。プレスリリースによれば、募集は2025年初頭から始まるという。 現実資産のトークン化、つまり不動産やコモディティ(商品)、ファンド、証券などの伝統的資産をブロックチェーン上の所有権を表すデジタルトークンに変換するプロセスは、世界的に注目を集めている。機関や政府までもが、決済の迅速化や投資家のアクセスしやすさの向上などの運用効率の改善を目指してトークン化の調査をますます行うようになっている。現実資産市場は今後10年間で数兆ドル規模に成長する可能性があると、マッキンゼー(McKinsey)、BCG、21シェアーズ(21Shares)、バーンスタイン(Bernstein)などが発表した様々なレポートで予測されている。 DAMACのマネージング・ディレクターを務めるアミラ・サジュワニ(Amira Sajwani)氏は声明で、「当社の資産のトークン化により、投資家は安全で透明性が高く、便利な方法で幅広い投資機会にアクセスできるようになる」と述べた。 マントラは、多様な伝統的金融資産をそのブロックチェーンに取り込む上で中東地域に重点を置いている。今年これ以前に、同社はドバイを拠点とする不動産開発業者MAGグループ(MAG Group)の資産のうち5億ドル(約775億円)相当をトークン化すると発表していた。マントラのメインネットは10月に立ち上げられており、CoinGeckoのデータによると、ネイティブトークンOMの時価総額は過去3カ月間で約200%上昇し、36億ドル(約5580億円)に達した。 DAMACはブロックチェーン技術と暗号資産(仮想通貨)の活用方法を模索してきた歴史がある。2022年には、暗号資産ハブになるというUAEの野心に沿って、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)による支払いの受け入れを開始した。 注目すべきは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領が今週行った記者会見で、DAMACがアメリカの複数の州にわたってデータセンターに200億ドル(約3兆1000億円)を投資する計画を示したと述べたことだ。 |翻訳・編集:林理南|画像:David Rodrigo/Unsplash|原文:MANTRA Blockchain to Tokenize $1B of Real-World Assets for UAE-Based Property Firm DAMAC
CoinDesk Japan 編集部