全SS最速の新井大輝が完全勝利! 全日本ラリー復帰のコバライネンはブレーキトラブルで14位/第6戦ラリー・カムイ
7月5日から7日にかけて、北海道虻田郡ニセコ町を中心にJRC全日本ラリー選手権第6戦『2024 ARKラリー・カムイ』が開催され、新井大輝/松尾俊亮組(Ahead Skoda Fabia R5)が優勝。第4戦丹後からの3連勝でシーズン4勝目を飾った。 【写真】JN-2クラスを制したラックDLモビリティ東名古屋GRカローラ(松岡孝典/北田稔組) 全8戦で争われる全日本ラリーは、前戦のモントレーから後半戦に突入。そのモントレーまでは開幕から5戦続けてターマック(舗装路)ラリーが行われてきたが、北の大地が舞台となるラリー・カムイと、次戦ラリー北海道の2戦は数少ないグラベル(未舗装路)イベントとなっている。 ニセコアンヌプリ国際スキー場にサービスパークが置かれた第6戦は、計12本のスペシャルステージ(SS)と移動区間(リエゾン)で構成され、総延長は386kmに。このうち約91kmの競技区間で争われた。 競技初日となった6日(土)は朝から雨模様となり、選手たちは一層難しいコンディションのなかでの戦いを強いられることとなった。そんななか2連勝中の新井/松尾組のシュコダはオープニングから速さを見せ、序盤の3ステージで連続ベストをマーク。オープニングステージで2番手となった新井敏弘(スバルWRX S4)に3.7秒、続くSS2で2番手タイムを記録し新井敏弘を抜き総合2番手に浮上した勝田範彦(GRヤリス・ラリー2)には3.5秒、SS3では奴田原文雄(ADVAN KTMS GRヤリスラリー2)に対し4秒早いタイムを刻んだ。 午後の再走ステージでも2010年王者の勢いは衰えずSS4から初日最後のSS6まで最速タイムを並べると、この時点で総合2番手につける勝田に26.3秒のリードを築いた。 明けた日曜のレグ2も雨が降ったり止んだりの不安定な天気で、引き続き難しいコンディションが続くなか新井は快走を続ける。オープニングのSS7を皮切りに続く5つのSSすべてでステージウインを飾り、週末の全12ステージ連続ベストという離れ業で“完全勝利”を収めた。 総合2位はセカンドベスト5回、同じく5回の3番手タイムを記録した勝田。トップから1分08秒の後れを取ったベテランから、さらに12.8秒おくれてセカンドベスト4回の奴田原が総合3位に。4位は福永修(OSAMU焼肉ふじ☆CTE555ファビア)、5位には3番手で迎えたSS7で痛恨のコースオフを喫した新井敏弘が入った。 胸部上行大動脈瘤の手術から復帰し、このラリー・カムイで2024年シーズン初出場となったヘイキ・コバライネン(AICELLO速心DLヤリスRally2)は、GRヤリス・ラリー2の感触を確かめながらの走行に。レグ2のSS10では2番手タイムを記録した2連覇王者は総合6番手で最終ステージを迎えたが、このSS12の序盤でブレーキトラブルに見舞われたことが影響し復帰戦は14位に終わった。 コバライネンはラリー後にSNSを更新し、「良い結果は得られなかったが、今回は手術後のクルマのフィーリングを確認することが主な目的だったから、それは問題ない。そして、とてもいい感触だった! すでに次のイベントが楽しみだよ!」とメッセージを綴っている。その次戦、全日本ラリー第7戦『ラリー北海道』は9月6~8日に帯広市を中心に開催される。 トヨタGRカローラが勝利を飾ったJN-2クラスからJN-6まで、今大会の各クラスウイナーは以下のとおりだ。 ■2024年全日本ラリー選手権第6戦ARKラリー・カムイ 順位結果 Pos./Driver/Co-Driver/Car/Time 総合優勝/新井大輝/松尾俊亮/Ahead Skoda Fabia R5/1h03'59.5 総合2位/勝田範彦/木村裕介/GR YARIS Rally2/1h05'00.3 総合2位/奴田原文雄/東駿吾/ADVAN KTMS GRヤリスラリー2/1h05'13.1 JN-2優勝/松岡孝典/北田稔/ラックDLモビリティ東名古屋GRカローラ/1h10'35.4 JN-3優勝/曽根崇仁/竹原静香/P.MU☆DL☆INGING☆GR86/1h15'56.2 JN-4優勝/内藤学武/大高徹也/YH TEIN アーリット スイフト/1h15'38.0 JN-5優勝/松倉拓郎/山田真記子/DL☆Gセキネン鹿ソニックラブカデミオ/1h15'49.8 JN-6優勝/天野智之/井上裕紀子/TRT・DLアクアGR SPORT/1h21'44.0 [オートスポーツweb 2024年07月10日]