阪神 来秋ドラ1候補に創価大・立石 広角打法で一発もある“ポスト中野”神宮大会で最多安打記録
阪神が来秋のドラフト1位候補として、創価大の立石正広内野手(3年・高川学園)をリストアップしていることが10日、分かった。兵庫県西宮市の球団事務所でスカウト会議を行い、今年の総括や来年の指名候補などを確認したとみられる。現在は三塁を守る立石だが、来年は二塁に挑戦する可能性もあるといい“ポスト中野”として注視していく。 未来を担う若虎の新入団会見が9日に行われたばかりだが、スカウト陣の視線は早くも来秋に向けられていた。立石は身長180センチと上背こそないが、右打席から広角に力強い放物線を描ける。 11月の明治神宮大会では4試合で10安打を放ち、大会の最多安打記録(9本)を塗り替えた。仏教大との1回戦では第1打席で右翼席に先制2ラン。環太平洋大との準決勝では左翼席中段に豪快な2ランを運んだ。決勝で青学大に敗れ、全国制覇は逃したが、大会通算打率・667、2本塁打、6打点。長打率・722をマークするなど圧巻の数字を残した。さらに3盗塁を記録するなど足でもアピールした。 聖地との縁もある。高川学園では3年夏に甲子園に出場。小松大谷との1回戦でバックスクリーンに2ランを打ち込んだ。 来秋ドラフトで競合必至の逸材に、虎が熱視線を送る理由がある。現在は三塁を守る立石だが、関係者によると「来年はセカンドをやると聞いている」という。阪神の二塁には2年連続で全試合出場を果たした中野が君臨するが、来年29歳を迎える絶対的名手の後継者問題は避けて通れない。内野手の層を盤石とするためにも“ポスト中野”の育成は急務となっている。 “強打の二塁手”となれば希少価値も増す。阪神では通算247本塁打を放った岡田彰布や03年に打率・340で首位打者、05年に147打点で打点王に輝いた今岡誠らが虎党の脳裏に思い浮かぶ。他球団ではヤクルトの山田哲人やDeNAの牧秀悟。それらの系譜に名を連ねる可能性を秘めた“金の卵”を今後も注視していく。 ◆立石 正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日生まれ、21歳。山口県防府市出身。右投げ右打ち。180センチ、85キロ。7歳から華浦スポーツ少年団野球部で野球を始め、高川学園中では高川学園リトルシニアに所属。高川学園高では3年夏に出場した甲子園で中越え2ランをマーク。創価大では1年春からベンチ入りし、2年春に打撃3冠を獲得。3年夏には大学日本代表に選出され、国際大会5試合で4番を任された。50メートル走6秒1。