中学の時に突然父を亡くし…その後、母は車いす生活に『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』自身の体験を力強くそして面白く発信していく理由とは
大事なコミュニティーである就労継続支援作業所
奈美さんのXには、作業所で仕事をする弟の日給が500円だったことが投稿されています。この投稿には「工賃が低い」というコメントが多く寄せられていました。 就労継続支援作業所にはA型・B型があり、奈美さんの弟が働いているのはB型作業所。 奈美さんは作業所があることは本人にとっても、障がい者を支える家族にとってもありがたいことだと言います。 家以外の場所に日常生活を送る場所があり、障がい者年金もあり、暮らしていけるなら日給はまったく関係ないと思うのと重度障がい者の支援の日給については違和感は抱いていません。 お金をもらうことが価値なのではなく、コミュニティー(自身のことを理解し合える関係)が大事なのです。 その一方で、支援員の方の日給の方が問題だと考えていると話す奈美さん。 「重度障がい者の支援職である支援員さんが日本で一番クリエイティブな仕事だと思います。見えているもの・こだわり・ルールも違う人の思いを想像してどのようなことに困っているのか、言葉にならないところまで汲み取ってサポートするという高度なことをしているのです。日常生活を送って社会とつながる訓練をする場所と考えると、それを整える人の役割は大きいと考えます。A型作業所の人はお金を稼ぐ場所だから、そこは一生懸命働いた人がお金をもらえるようにしてほしい。何のためにその施設があるのか、何がその人たちにとっての幸せなのか考えることが重要です。弟にとってもお金を稼ぐことが必ずしも幸せではないはず」 「自分のことを理解しようとしてくれている人たちと過ごせる自信というのはお金では買えない」といいます。 ※就労継続支援A型…一般企業などで働くことが困難であるものの、一定の支援があれば雇用契約に基づいて働ける方を対象にしたサービス。 ※就労継続支援B型…一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供するサービス。