資産1億円の親が残した「1枚のメモ」がきっかけに家族内の相続トラブルとなった長男の末路
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。<第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識>、<第2部 今日から始める生前準備のすべて>、<第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える>の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 連載第7回 『不動産所有者が知らないと後悔する「百万円単位で損しない」ための手続きミスを防ぐ方法』より続く
骨肉の「争続」実録集
「正直に申し上げると、「争続」は富裕層だけの問題ではありません。むしろ多額の財産を持っていない親族間でも、相続できる遺産があるとなれば争いになりかねません。 たとえば、父親の死に際し、仲の良い兄弟なので遺言書がなくても特にもめないと長男は思っていたのに、次男が『兄は父の介護を一切していないのに、俺と同じだけもらうのは許せない!』などとトラブルになるケースはよく聞きますね」(前出の松嶋氏) 相続人同士、表面的には仲が悪くなくとも、些細なことで大騒動に発展する。前出の貞方氏は、こんな骨肉の争いを目の当たりにした。 ●遺言なき遺産分割協議で、兄弟3人が大ゲンカ 母親はすでに他界しており、このたび父親(85歳)が亡くなった。相続人は長男(58歳)、長女(55歳)、次男(52歳)。長男は父親の会社に入って、経営をしている。 残された財産は父が経営していた会社の株、自宅の不動産、区分所有のマンション、現金と有価証券、すべて合わせて2億円ほどだ。 長女は一度結婚したが、離婚して自宅で父親と同居。次男は収入が少ないが、父が買ったマンションに住んでいるため、なんとか生活は維持できている。兄弟仲は良くも悪くもなく、3人による遺産分割協議で、次のことはすんなり決まった。 自宅(評価額4000万円)は長女が引き継ぎ、長男は父親が経営していた会社の株(評価額3000万円)を、次男は住んでいた父親のマンション(評価額3000万円)を相続することとした。