再びオレンジ対決か 優勝争いは倉敷と佐久長聖 上位を狙う埼玉栄や仙台育英/全国高校駅伝展望・男子
全国高校駅伝は12月24日、京都市のたけびしスタジアム京都発着で行われる。都道府県代表47校が7区間42.195kmで競う男子第74回大会のレースを展望する。 男子の大会記録、高校最高記録、区間記録をチェック!
倉敷は3本柱、佐久長聖は選手層
トラックでのタイム、経験値を含めたチーム力やインターハイ路線での成績、ロードへの適性を踏まえると、前回を大会新記録と高校国内国際最高(2時間1分10秒)で制した倉敷(岡山)と、高校最高記録(2時間1分57秒)で2位に入った佐久長聖(長野)によるオレンジ色のユニフォーム2校が、今回もV争いの中心となりそうだ。 2年連続4回目のVに挑む倉敷は、前回3区を22分30秒の区間新で駆け抜けた留学生のサムエル・キバティ、4区を務め、区間賞で後続とのリードを広げた桑田駿介、7区で優勝テープを切った檜垣蒼の3年生トリオが軸となる。 キバティはインターハイ5000mを制し、桑田は6月下旬に10000mで28分59秒87を出したほか、国体少年A5000mで6位に入った。檜垣は10月に5000mで13分台(13分55秒04)に突入している。 さらに、国体少年B3000mで6位に入った1年生の北村海智が、中国大会では長距離区間の4区で区間賞を取り、成長著しい。1年時から都大路の4区で活躍してきた桑田のような存在なれば、大きなプラス材料。加えて、チームスタイルとしてトラックのタイムに左右されないロードでの安定感があり、前回も実証している。その特徴を再び発揮できれば、チーム初の2連覇へ大きく近づきそうだ。 6年ぶり3回目の優勝を目指す佐久長聖は、抜群のスピードと選手層を誇る。前回2位のメンバーのうち、1区を務めた主将の永原颯磨(3年)、2区の濵口大和(2年)、4区の山口竣平(3年)、6区の篠和真(2年)の4人が残った。 今季は永原がインターハイ3000m障害を高校新記録(8分32秒12)で優勝した。また、秋に入って5000mで続々と自己記録を更新し、山口の13分34秒59(高校歴代5位)を筆頭に、13分台は6人を数え、上位7人の平均タイムは13分50秒と驚異的な陣容となっている。 11月の駅伝は永原が故障の影響で欠場したが、県大会は2時間3分27秒、メンバーを5人入れ替えた北信越大会は2時間4分16秒をマーク。それほどチームには勢いがある。永原は11月下旬にレース復帰しており、都大路も出場する公算は高い。 倉敷は序盤から先頭付近でレースを進め、前回同様、キバティの区間でリードを広げたいところ。佐久長聖は留学生区間でビハインドを30秒程度にとどめて、その後の区間で逆転に持ち込めるかがポイントだろう。