再びオレンジ対決か 優勝争いは倉敷と佐久長聖 上位を狙う埼玉栄や仙台育英/全国高校駅伝展望・男子
埼玉栄、仙台育英、洛南なども有力
倉敷、佐久長聖の優位は動かないが、前回大会で入賞した埼玉栄(埼玉)、仙台育英(宮城)、洛南(京都)も上位争いに加わる戦力を整えている。 埼玉栄は強豪ぞろいの関東大会を2連覇。前回5区区間賞の松井海斗(3年)がインターハイ5000mで日本人3番手の7位に入ると、関東大会1区では29分10秒で区間賞を獲得した。倉敷、佐久長聖との〝オレンジ3強対決〟に持ち込めるか。 エースが確立されているのは仙台育英も同じ。前回4区区間4位の大濱逞真(3年)は今夏のインターハイ5000mで日本人2番手の6位。10000mでは高校歴代6位の28分33秒58の記録を持っている。またインターハイ5000m3位のエリウッド・カヒガ(2年)もおり、日本人選手も粒ぞろいだ。 洛南は前回、3区を務めた岡田開成(3年)、4区の並川颯太(3年)、6区の井上朋哉(2年)が残る。府大会では2位の洛北と接戦になったが、近畿大会では中盤以降独走して、2時間4分台で2年ぶりに優勝した。インターハイ5000m11位の岡田を中心に、流れに乗れるか。 前回、40年ぶりのメダルとなる3位に入った八千代松陰(千葉)は、その時のメンバーが4人残る。その中で4区区間3位の鈴木琉胤(2年)や6区区間2位の小河原陽琉(3年)がキーマンだ。戦力の底上げが進んでおり、安定した走りを見せるかもしれない。 3年ぶりの出場となる須磨学園(兵庫)は、エースの折田壮太(3年)が牽引する。5000mでインターハイ日本人トップの5位、国体少年A優勝の実績を持ち、自己ベストは高校歴代2位の13分28秒78。さらに、兵庫県大会で4区区間新をマークした福冨翔(3年)らチーム力も高く、上位で走り切る可能性を秘めている。 また、気温30度超の鹿児島県大会で2時間4分台を出した鹿児島城西も注目だ。国体少年共通800m覇者・立迫大徳(3年)は5000mでもチームただ1人の13分台を持ち、長距離区間に登場予定だ。他にもロードに強い選手をそろえており、5年ぶり2度目の大舞台で上位に食い込むかもしれない。 このほか、前回8位の学法石川(福島)は22年全中3000m覇者で、5000mで高1歴代2位の13分54秒16を自己ベストに持つ増子陽太(1年)がキーマンとなりそう。また、前回10位だった東農大二(群馬)は青木丈侑(3年)ら当時のメンバーが6人残っている。 九州勢は入賞候補がずらりと並ぶ。2年ぶり出場の九州学院(熊本)は5000m13分57秒00の椙山一颯(2年)らで持ち前の勝負強さを発揮できるか。3年ぶりに戻ってくる大牟田(福岡)はインターハイ1500m王者・谷本昂士郎(3年)を軸に下級生も力がある。小林は5000m13分台の佐藤愛斗(3年)や池間凛斗(3年)で上位に食らいつけるか。 上位・入賞争いを占う上で、重要となるのが最長区間である〝花の1区〟の出来だろう。今季実績ナンバーワンの折田や松井、大濱が1区にそろって入れば、終盤にかけて激しい主導権争いが予想される。優勝候補の倉敷、佐久長聖も食らいつくはずだ。そこでの展開が2区以降の流れにもつながる。近年高速化が進むなか、2019年に佐藤一世(八千代松陰/現・青学大)がマークした日本人区間最高(28分48秒)の更新なるか、目が離せない。 レースは12時30分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。
月陸編集部