膠着色が強まる日本株相場で注視したい「ある指数」の動き
お盆のUターンラッシュの渋滞のように停滞感が強まっている日本株相場。先行きを占ううえで注目しておきたい、ある指数の動きとは?(写真:ブルームバーグ)
8月第3週(15~19日)の日経平均株価は、17日に7カ月ぶりとなる2万9000円台を回復。その後、18日・19日は2日間マイナスの足踏みとなった。 とはいえ、前週末比では3週連続のプラスで終わっており、この3週間の上昇率は4.06%(TOPIXは2.8%)。順調に水準を切り上げてフシどころに届いたことによる市場の高値警戒感に、敬意を表するような形での週末調整。19日には短期の趨勢を示す5日移動平均線を割り込んだが、かなり余裕含みの推移とみられなくもない。 ただ、それは指数そのものの動きを見たもので、内実はいささか疑問がないわけでもない。例えば、この8月第3週の東証プライム市場の上昇率上位を見ると、アイスタイル( 3660 、前週末比2.1倍)、リブセンス( 6054 、同2倍)、エフオン( 9514 、同32.6%高)、ゴルフダイジェスト・オンライン( 3319 、同30.9%高)、ギフティ( 4449 、同27.1%高)が5傑だった。 アイスタイルはいうまでもなく、アメリカの アマゾン・ドット・コム (ティッカー:AMZN)との資本業務提携を手がかりにして、一気に値を飛ばした銘柄。これを別格にすると、その他の4銘柄は、いずれも決算発表を手がかりに“決算プレイ”の延長線上で人気を集めたものだ。各銘柄の株価水準を見てもわかるように、失礼ながら“落穂拾い”的な印象はぬぐえない。 さらに、日経平均採用225銘柄の同期間上昇率5傑を見ても、日本板硝子( 5202 、同11.9%高)、バンダイナムコホールディングス( 7832 、同9.4%高)、第一三共( 4568 、同7.8%高)、フジクラ( 5803 、同7.2%高)、サッポロホールディングス( 2501 、同6.5%高)だったから、やはり似たようなもの。いわゆる主力株は顔を出しておらず、材料性の強い銘柄が中心だ。
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岩本 秀雄