東京女子が11・9シアトルから3週連続で3大タイトルマッチ開催。相手はすべて外国人選手…「東京女子vs世界」はどうなる?【週刊プロレス】
東京女子11・9シアトル(日本時間では10日)から始まる3週連続での3大タイトルマッチは、所属選手が外国人選手の挑戦を受けるというシチュエーション。いうなれば「東京女子vs世界」だ。 IP王者の荒井
まずはシアトルでのプリンセスタッグ戦。王者組の121000000(山下実優&伊藤麻希)がバートビクセン&ニコル・マヒューズを迎撃する。ただ、この流れはワンミリのトラウマを再発させる可能性が大いに考えられる状況。なにせ昨年3月、有明コロシアムにて2人で初戴冠した同王座だが、直後のアメリカ大会で陥落。初防衛を果たすことなく異国でベルトを失っているのだ。 まさに昨年と同じ状況下に置かれているのだが、ワンミリだって成長していないわけではない。そもそも2人は個人で海外の試合に出場することが多く、東京女子の大会以前に日本で2人揃っている機会が少ない。だけども最初の戴冠から2度目の戴冠までの1年半で海外で会う機会が増え、日本にいた頃よりもコミュニケーションは多くなっているのだという。相変わらず不思議な関係だ。 そういった海外での不安だったり違和感などを共有できるようになったことも彼女たちにとって大きい。そんな共感がワンミリを強くさせ、さらに昨年のトラウマを振り払うことでワンミリは強くなっていく。戴冠前に思わず口から出た「10回防衛しないと解散」の言葉を覚悟へと変換し、解散せずに最多防衛記録を樹立させる気は満々だ。 そして、その1週間後の11・16大阪ではプリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩がザラ・ザッカーを迎え撃つ。これが未詩にとってV5戦。 ザラは今年2月の後楽園で東京女子に初めて参戦。その年の「東京プリンセスカップ」にも出場したキャリア約1年半の22歳。同トーナメント2回戦(8・3新宿)では未詩と激突し、場内の大きなどよめきの中で3カウントを奪うことに成功。その明確な結果が今回の挑戦につながった形だろう。 実際に敗れている未詩にとってはリベンジの一戦。直前のシアトル大会では前哨戦としてザラと対戦することが決定済みで、そこから王者は闘志を燃やして臨むつもりだ。3大王座のなかでプリプリだけはこれまで海外に流出したことがなく、そのあたりのプレッシャーとも闘っていくことになるだろう。だけども今年3月から団体を最前線で引っ張ってきた彼女だからこそ乗り越えるべき試練。ちなみに未詩の海外に対する考え方は以下の通り。 未詩「団体での海外遠征も、個人で行くこと自体も増えてて。シアトル大会もあるので、とにかく臨むのはもっと海外に東京女子プロレスを広めていくことですね。これだけ配信してもらえてる環境もすごいことだと思うので、そういったツールで離れている人にこそ伝えて。そこから世界中でやりたいです。 ただ、私自身ちっちゃい頃から海外に行きたいって欲はなかったんですよ。でもプロレスを通して海外に行ってみたいっていうのを最近はめちゃめちゃ思っているので。まず個人的にはディズニーのある海外の国に行ってみたいです(笑)。上海、香港、パリ、アメリカ2つ? 去年オーランドの方には行ったんですけど、すべて制覇する気持ちでいます!」 最後は11・22新宿での荒井優希vsシャザ・マッケンジーのインターナショナル・プリンセス王座戦。9月の幕張大会で同王座の最多防衛記録を更新した荒井に、またしても試練が立ちはだかる。 「インターナショナル」なだけあり、過去に3度も外国人選手に流出している同王座。ただ荒井が多忙なため直前のシアトル遠征に参加できず。なんなら今回だけでなく、彼女はこれまで一度も海外では試合をしたことがない。つまり挑戦の幅…言い換えれば「インターナショナル」な部分をこれまで発揮しきれていない、という言い方もできるだろう。 ただ、それは荒井にとっては仕方のないことでもある。見方を変えてみると、アイドルというプロレスにとっての外の世界にも広がる闘いを続けているため、そっちの方で「インターナショナル」。また本人に意志がないわけではなく、海外で試合をしたいと常々言っているため、それが実現する時を待つばかりだ。 ちなみに荒井は今年1月にマックス・ジ・インペイラーからベルトを奪取し、6月の後楽園ではLAテイラーを下して防衛に成功。そうして国内ではあるが外国人選手と好勝負を繰り広げ、結果を積み上げている。未知なるガイジンファイターと闘うことにも慣れ始めている頃だろう。いつも最初は不安を吐露する彼女だけど、いつも最後は笑顔でベルトを掲げている。そんな光景が再び見れるか。 最後に外国人選手との対戦経験がひじょうに多い山下が「東京女子vs世界」について語ってくれた。 山下「外国人選手っていうのはもちろん何してくるか全然分かんないので、どこからきても大丈夫なように全方位に気持ちを張って、どこからきても自分の技につなげるっていうイメージができてれば大丈夫だと思うので。ただ未詩に関しては私と似てて真っ直ぐすぎるイメージがあるので、そこはどう転ぶかなと。その真っすぐのストレートはめちゃめちゃ強いので、そこを押し通す力をいつも通りに見せてくれたら全然いけるとは思いますけど。 荒井ちゃんはアイドル経験がすごくて、アイドルの方でも色んな闘いがあると思うんですよ。だからそこには慣れてると思いますし、あの人も割と何するか分かんないイメージがあるので相手のイメージもしやすいんじゃないかなと。また相手にとっても同じような場になってくるんじゃないかなと思いますね。 とにかく、私たちはもちろん見せるけど、未詩と荒井ちゃんにもしっかりと東京女子の意地や魂を見せてほしいですね。でも、もうそのあたりは心配いらないかな。2人とも東京女子のベルトを守ってくれるでしょ」
週刊プロレス編集部