爆笑問題×霜降り明星『芸人シンパイニュース』が2025年もおもしろすぎた
爆笑問題、霜降り明星、新井恵理那のスタジオトークの魅力
そして、この番組の最大の魅力はVTRを観たあとの5人によるスタジオトークだ。狂ったVTRの受け手は狂った芸人にしか務まらない。 爆笑問題と若手芸人の相性のよさはもはや言うまでもないが、特に霜降り明星とのタッグはあまりにも最高だ。爆笑問題と霜降り明星は、裁判、下半身など似ている点が多くあるが、一番の共通点は「誰が相手だろうと臆することなく突っ込んでいく」その勢いのすごさだ。それが単純に「×2」になっているのだからおもしろくないわけがない。 核心を突く鋭いコメントから、苦笑いしか出ない下ネタまで、縦横無尽に暴れまくる太田光。どこまでも自然体を貫く田中裕二。時に太田がたじろぐほどの爆弾発言をする粗品。場全体の雰囲気によって瞬時にボケにもツッコミを切り替える家にひとり欲しい存在のせいや。VTR以上にアクの強い4人に流されることなく場を締める新井恵理那。そんな5人の化学反応によって、VTRがよりおもしろくなっていく。 前述したマルシア×ママタルトのVTRを受けてのコメントでも、 田中「本当に『まーちゃんごめんね』言えたね、本人にね」 新井「ぴったりでしたね! 最後」 せいや「マルシアさんが一番ロケしてくれましたね」 全員「すごいよね!」 せいや「2日スケジュール抑えてくれて」 太田「これ、このまま結婚したらすごいよね!?」 粗品「するかぁ!」 せいや「おもろすぎますよ」 と、息の合ったコメントで盛り上げていく。 なんと言っても、湿っぽくなりそうなVTRであってもどこからでも笑いに落とし込む太田光のすごさ。令和ロマンと共演した『バクっと令和問題』(テレビ朝日)でも髙比良くるまが爆笑問題を「普通に速くておもしろい」と評していたが、この「速さ」は『サンデージャポン』(TBS)で毎週のようにVTR受けボケをやり続けている太田光こそだろう。また、いつものように自由にボケつつも、粗品のギリギリの発言には誰よりも速くツッコむなど、ここぞというときの思慮深さも見せてくれる。 そして今回は、田中裕二の怖さがより際立っていた。特に番組終盤、『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)ではもはやネタを超えてリスナーの総称となっている「一般人虫ケラ論」の話題が取り上げられたのだ。 事の発端は、道端で田中と遭遇した同じ事務所(タイタン)の芸人・鎌(れん)による「まるで虫ケラを見るような目で田中さんに見られました」という発言。それに対し田中は、ラジオ同様にこう言った。 田中「そりゃ悪かったけど、お前のこと俺知らないから、ほとんど会ったことないから『わざわざおう!よう!とかやるわけないだろ!虫ケラ!』って言ったの」 テレビでこの発言を聞けたことは、虫ケラのひとりとして本当に貴重な体験だった。 『芸人シンパイニュース』、年に一度の楽しみとしていつまでも長く続いてくれるのもいいが、この5人の座組を毎週観たい。一日でも早い再レギュラー化を願っている。
文=かんそう