梅産地を守ろう 和歌山県田辺市、ひょう被害の農家支援へ
ひょうの被害などで影響を受けている地域の梅産業を支えようと、和歌山県田辺市は13日、支援策を発表した。農家への直接的な支援のほか、都市部での梅のPRイベントを企画。真砂充敏市長は「梅は地域の基幹産業。農家の経営を少しでも下支えして産地を守るとともに、田辺市が元気であることを広くPRしたい」と話している。 【東京、京都で梅干し配布や青梅奉納 「梅の日」で関係団体の記事はこちら】 産地では梅の収穫シーズンを迎えているが、今年は暖冬で不完全な花が多かった影響から、例年にない不作となっている。 さらに3月に広範囲でひょうが降り、実に傷が付く被害があった。市内の被害額は、過去最大規模の約10億9千万円に上っている。 一方で、肥料価格は高騰。2020年当時と比べると、1・35倍になっているという。 市はそうした状況を受け、梅農家の営農を支援することで来年以降の安定的な生産につなげ、産地の維持を図ろうと、肥料代の一部を補助することにした。 対象は市内に住所があり、梅のひょう被害を受けた農業者。次期作に必要な肥料代の価格高騰分について、3分の1を補助する方針。 必要な予算2400万円を計上した本年度一般会計補正予算案を6月市議会に提案する。 ■百貨店で梅のPRも 梅のPRは今夏、阪神圏内の百貨店で企画している。ひょう被害などの影響が心配される中、梅の魅力を広く発信することで産地としてのブランド力を高めたいという。 期間は7月下旬から8月上旬の1週間。詳細は未定だが、白干しや蜂蜜漬け、シソ漬けなどさまざまな種類の梅干しを取りそろえるほか、梅酒やドレッシング、ジャムなどの加工品も販売する予定にしている。 疲労回復など梅の健康効果についても紹介。都市部の人たちに「梅がある生活」を提案したいという。 事業はまちづくり会社「南紀みらい」に委託する予定。関連予算170万円を6月市議会に提案する。 市商工振興課の担当者は「こうした機会を通じてたくさんの人に梅の魅力を知ってもらい、消費拡大につなげていきたい」と話している。 ■19日に開会 田辺市議会 田辺市議会6月定例会は、19日に開会する。会期は7月10日までの22日間。 市は、本年度一般会計補正予算案を含む議案22件を提出する。
紀伊民報