【速報】「弟の無念を晴らして」重度脳障がいの男性が死亡前日に自宅売却…契約書が偽造された疑い 遺族が不動産会社の社長を刑事告発
脳に重い障がいがあった男性が死亡前日に結んだ自宅を売却する契約を巡り、遺族は契約書が偽造された疑いがあるとして、不動産会社の社長を大阪府警に刑事告発しました。遺族は「弟の無念を晴らしてほしい」などと訴えています。 【画像を見る】直筆の署名がない売買契約書
5月、遺族が不動産会社に、契約の無効を訴えた民事裁判では、不動産会社に賠償を命じる判決が下されています。 柳南秀さん(57)の弟・柳発秀さん(当時51)は7年前、交通事故の影響で重い脳の障害を負い認知機能は低下していました。大阪市内で一人暮らしだった発秀さんは、障がい者手帳の交付を受け、就労支援施設に通いながら大阪市内にある自宅でひとり暮らしを続けていましたが、おととしの初めごろには基本的な生活にも支障が出るようになっていたといいます。 南秀さん「事故起こす前は、すごく男気あって後輩からも好かれていた。でも事故後は、性格は丸くなって気が優しい感じでした」 発秀さんはおととし6月、自宅とは別の集合住宅で倒れているのを発見され、その後、病院で亡くなりました。 発秀さんが自宅とは違う場所で亡くなっていたのか。不審に思った遺族が調べていく中で、発秀さんは死亡する前日、大阪市浪速区の不動産会社と自宅を売却する契約を結んでいたのです。実印は押されていましたが直筆の署名はなく、入金もありませんでした。自宅を売却した経緯について不動産会社は「発秀さんに2200万円を貸していた。売却代金はその返済に充てた」と主張。
遺族『内容理解できる能力なし』業者に賠償求め提訴
遺族は「弟は契約内容をそもそも認知できなかったはずで、契約は無効」として不動産会社を提訴。 一方、裁判で不動産会社の代表は発秀さんの判断能力について、不動産会社代表「身だしなみも普段着で変わった様子はなかった。特に違和感などは何も感じなかった」と答えました。
大阪地裁 遺族の訴え認める判決「契約書は意思に基づかず作成された」
5月30日、大阪地裁は「契約書などには署名はなく実印などが見つからないことから、契約書は死亡後に作成された疑いが強く、意思に基づかない契約だった」として遺族の訴えを認め会社側に賠償を命じる判決を言い渡しました。 判決後、南秀さんは・・・「完全勝訴で、非常に今回の判決に関しては納得しています。もしこれ負ければ本当に弟の無念を晴らすどころか報われない」