Jリーグ過去最多集客!! J1クラブ増で過密日程発生も「メリットのほうが極めて大きい」と語る理由
Jリーグは29日、理事会後に記者会見を開き、今季のJ1・J2・J3リーグ戦の合計入場者数が「1100万人台中盤~後半」に達する見込みを明かした。 【写真】「かわいい3人」「癒されます」…影山優佳さんがなでしこ戦士との3ショット公開 全リーグ戦の約91%を消化した今月時点での合計入場者数はすでに1061万3097人を数え、2019年の1039万7482人を上回る過去最多を更新。19年からはクラブ数が58から60に増加し、試合数も1074試合から1140試合に増えている一方、1試合あたりの平均入場者数も19年比105%(1万215人)と増加を見せており、歴史的な活況を誇っているといえる。 またJ1・J2・J3リーグ戦に加え、FUJIFILM SUPER CUP、J1・J2昇格プレーオフ、ルヴァン杯などを合わせた公式戦の合計入場者数は「1200万人超」に達する見込みだという。 野々村芳和チェアマンは記者会見で「Jリーグをどう多くの人に届けていって、一緒に魅力的なものとして育てていけるかが大事。その循環がうまく回り始めている証拠でもあると思う」と手応えを述べつつ、シーズン終盤に向けて「より多くの仲間をここで作っていけるように、広げていけるようにリーグもクラブも上手く進められたらと思っている」と力を込めた。 Jリーグによると、入場者数の好調につながっている要因は以下の6点だ。 ①J1クラブを18クラブから20クラブに変更。J2昇格プレーオフの導入などのレギュレーション変更。 ②テレビ露出(ローカル露出は前年比約150%増)を始めとするメディア露出増加。 ③国立競技場でのリーグ戦開催(THE国立DAY)を8試合から13試合に拡大。1試合平均入場者数は5.1万人。 ④各ローカルクラブで注力試合を設定。清水の国立開催で5万6000人、大分で2万8000人とJ2で顕著な実績。 ⑤新スタジアム効果。広島が前年比1.6倍、金沢が前年比1.3倍。長崎も開場後の2試合でほぼ満員を記録。 ⑥デジタル投資を強化。デジタル広告出稿、JリーグIDユーザー向けの来場施策、外部IPコラボ施策、新規ユーザー向けのコンテンツ制作に注力。 なかでも大きな成果を挙げているのはJ1クラブの増加だ。昨季まではJ1が18クラブ、J2が22クラブ、J3が20クラブだったが、今季からは全カテゴリを20クラブに変更。観客数の6割超を占めるJ1リーグ戦の合計試合数を306試合から380試合に大きく伸ばした。 その結果、今季のJ1合計入場者数は過去最多の634万9681人を記録した19年比107%の680万9182人を記録。1試合平均入場者は2万751人を記録した19年比97%の2万86人にとどまっていることからも、試合数増加の影響が大きく出ているといえる。 その一方、J1各クラブのリーグ戦試合数が34から38に増えたことで、過密日程の問題は懸念されている。 ルヴァン杯がトーナメント制に改編されたことで、早期敗退したクラブは大きな影響を受けていないが、勝ち上がったクラブは夏場以降に週2試合の連戦が継続。またここには秋春制となった新方式のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL2)も直撃し、アジアの舞台に挑むクラブは例年以上の過密日程を強いられている。 Jリーグ側はこの日の会見で、試合数増の影響について「20クラブによって日程が大きく変わった影響というよりは、各ローカルエリアで20という面が増えたこと、J1自体の入場者が増えていることのメリットのほうが極めて大きいと感じている」と興行面のメリットを強調していたが、過去最高の活況の背景には、トップクラブで戦う選手たちの負担増にも留意する必要がありそうだ。