その肘・肩の痛み、パソコンの使い過ぎかも!? 「マウス肘」「マウス肩」の症状・対処法を医師が解説!
「マウス肘」「マウス肩」を放置するとどうなる? 予防法や対処法は?
編集部: マウス肘やマウス肩は、放置しても大丈夫ですか? 小林先生: 可能な範囲でパソコン作業を控えて、こまめに休息をとれば、徐々に改善することもあります。しかし、多くの人は痛みを抱えながらパソコン作業を続けざるを得ないため、症状が徐々に悪化することが考えられます。また、肘や肩だけでなく自律神経にも影響を及ぼすこともあり、頭痛や吐き気、様々な自律神経症状などが出現することも考えられるので要注意です。 編集部: そうならないためには、どうしたらいいのでしょうか? 小林先生: まずは、パソコン作業を長時間続ける場合は、1時間続けたら休息をとることを意識してみましょう。1回大きく伸びをするだけでもかなり変わると思います。また、可能であれば少し歩くとさらに効果的です。少しでも痛みや違和感があった場合は、しばらくパソコン作業をお休みした方が、長い目で見ると作業効率が上がると思います。それでも症状が出る場合は、医療機関を受診しましょう。 編集部: 医療機関ではどのようなことをするのですか? 小林先生: 医療機関にもよると思いますが、例えば私の治療方針としては、凝りを緩和してなるべく早期に除痛をはかることを第一としています。疼痛が改善されたら理学療法士や作業療法士などによるリハビリテーションやストレッチの指導、生活指導などをおすすめしています。適切な治療をすることで、スムーズな職務復帰が目指せます。 編集部: 実際のところ、マウス肘やマウス肩に悩んでいる人は多いのでしょうか? 小林先生: はい。最近、デスクワーク関連でのマウス肘やマウス肩の受診が増加しています。また、姿勢不良による頚部痛も非常に多く、小学生が受診するケースもあるほどです。マウス肘やマウス肩は、スマホやデスクワークによる現代病のような印象です。そして、レントゲンなどの画像検査ではあまり目立った異常がないので、痛み止めや湿布などで放置されてしまうことも多い病態です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小林先生: 「肩や肘の痛み程度で受診するのは気が引ける」と思う人は多いかもしれません。特に仕事を休まないと受診する時間が取れない人は、仕事が滞ってしまうことを心配して放置しがちです。しかし、将来的に痛みなどで仕事ができなくなったり、仕事はできてもパフォーマンスが著しく落ちたりする可能性を考えると、やはり早めの受診がおすすめです。仕事のパフォーマンスを保つためにも、定期的なメンテナンスや早めの受診を心がけ、早期の改善を目指してほしいと思います。