ジオラマに着手!海面は塗るというより海を“描く”イメージで【達人のプラモ術<ハーバータグボート>】
ハーバータグボートのビンテージボックスジオラマの製作も第5回となりました。今回はモデリングペーストを使った海面の製作を進めて、海をいくタグボートの波頭や波のカタチを作り彩色よって仕上げていきます。(全6回の5回目) 【船首の波を増量したことで、タグボートの力強さがより強調された状態】
モデリングペーストを盛り上げて波を作る
モデリングペーストは粘度が高く、ペインティングナイフやヘラを使って塗布したあと盛り上げたり削るといった加工ができ、乾燥時の収縮や事後変形もほとんどないテクスチャー素材です。 ただし前回も書きましたが、一度に厚塗りをしてしまうと乾燥にとても時間がかかってしまいます。 効率よく製作を進めるならば、一度の盛り付けはモデリングペーストの厚みを5mm程度に抑え、塗布→乾燥→塗布→乾燥といった具合に塗り重ねてカタチを作っていきます。 波頭などを盛り上げて作る場合でも、一度に厚塗りしてしまうとモデリングペーストが崩れてしまうので、思うように波のカタチが作れません。 作例では、5mm程度モデリングペ―ストを塗布、指で触って表面が硬くなる状態まで乾燥(常温で30分前後)させて2度目の塗り重ね。部位によっては3~4回と重ねることで波頭などを製作しています。塗布していない状態で、水を含ませた平筆でモデリングペーストの表面を均すことで、滑らかな水面(表面)を作ることもできます。 モデリングペーストを塗り重ねて、ベース全体の大まかな波のカタチや船首が切り裂く海面の盛り上がりを作っていく。 面舵(おもかじ)旋回中という設定なので、船体が傾き、右舷側は水面スレスレの状態。艦弦にかぶる波をイメージしてモデリングペースト盛り付けていく。 船首が水面を割って生じる船首波は、ボックスアートや実際の船の写真などを参考に、左右に波が大きく盛り上がったようになるようヘラなどを使いカタチを作っていく。 船尾側はスクリューが水面をかき乱している状態を再現。5mm程度モデリングペーストを盛り上げ、泡立つ水面をイメージしながらヘラなどでペーストの表面に表情をつけていく。