大関豊昇龍が順調な仕上がり「いい感じで稽古できた」横綱同時昇進の可能性持つ琴桜に8勝1敗
大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた、横綱審議委員会(横審)による稽古総見が6日、両国国技館の相撲教習所で行われ、横綱昇進の可能性を持つ大関豊昇龍(25=立浪)が順調な仕上がりを披露した。琴桜、大の里の両大関を相手に計16番で12勝4敗。稽古を見つめた八角理事長も優勝候補の筆頭に挙げた。同じく綱とりを目指す大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)は3勝10敗と振るわなかった。 ◇ ◇ ◇ 本番さながらの鋭い立ち合いと、スピードあふれる動きが目を引いた。豊昇龍は大関陣による申し合いや、琴桜との三番稽古で計16番の相撲を取り12勝4敗。横綱同時昇進の可能性を持つ琴桜には8勝1敗と圧倒した。強引な投げに出ず、前へ出る相撲が光り「いい感じで稽古ができた」と充実した表情。番数については「もうちょっといきたかった」と余裕の口ぶりだった。 土俵脇で見守った八角理事長は「今場所の1番手かな。内容が良くなってきている」と、優勝候補の筆頭に挙げたほど。同じく綱とりが懸かる琴桜は精彩を欠いただけに、豊昇龍の動きの良さが一層際立った。理事長は「前に出ようという気持ちが出ていた。『この場所で優勝するしかない』と目標が定まっている」と解説した。 先場所は千秋楽で琴桜との相星決戦に敗れ、2度目の優勝を逃した。本人にとって、悔しさはまだ鮮明に刻まれている。「その思いを今場所にぶつけたい」と力を込める。横審の昇進内規は「大関で2場所連続優勝かそれに準ずる成績」となっている。豊昇龍にとって初場所優勝が絶対条件となるが、あくまで平常心を強調。「あまり気にしないで、1日一番、自分らしい相撲を取っていければ。初場所に向かって、しっかり稽古をやっていきたい」。初日まで1週間を切った。自身初の綱とりが懸かる中で、集中力をさらに高めていく。【奥岡幹浩】