通称〈みやじマリン〉こと「宮島水族館」。展示の目玉はスナメリ。カキいかだなど広島ならではの展示も
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく 【写真】あまり見られないウツボのシュールな泳ぐ姿 * * * * * * * ◆宮島の春の風物詩 2023年3月に通称「みやじマリン」、宮島水族館(広島県廿日市市)を訪れた。 当日は、たまたま2022年5月に生まれたスナメリの雄の赤ちゃんの名前、「ミハル」が発表された。 名前は公募によって決められた。母の名は「コハル」、姉は「チハル」。スナメリは小型のネズミイルカ科の哺乳類であり、瀬戸内海では多く観測される。 たまたま私が2019年の春に訪れた時も「セト」という赤ちゃんの名前が発表されたばかりだった。ある種の宮島の春の風物詩かもしれない。
◆広島らしいカキいかだなどの展示 当日の宮島は、海外からの多くの観光客で溢れかえっていたが、天気が良かったので、水族館は比較的静かだった。 宮島の世界遺産は今も大人気なので、みやじマリンは混雑を避けて、息抜きをできる場所としても利用できるかもしれない。 当館はスナメリ以外にも、プロジェクションマッピングを使った鯉の滝登りが見られる「はつこい庵」などの企画展もゆっくりと堪能できる。 また、普段は海に潜らないと見る機会のないカキいかだなどの展示も、広島ならではである。 (撮影=野辺地ジョージ)
野辺地ジョージ