デザイン最高! 初代フィアット・パンダが現代に復活? 新型「グランデパンダ」が登場。【新車ニュース】
増殖し成長するパンダファミリー
イタリアの自動車専門ウェブサイトにおけるグランデパンダの評価は、まだ販売店に実車がないにもかかわらず、おおむね好評である。「親しみがわくスタイル」「イタリア版(テスラ)サイバートラック!」「マイルドハイブリッド仕様が19,000ユーロで買える。ヒットするのではないか?」といった書き込みが確認できる。 対して動画投稿サイトでは厳しめの意見が目立つ。使用するプラットフォームの前身が旧PSAグループと中国・東風汽車の共同開発であることから「フランスの影響が強いのはいただけない」といった趣旨のコメントや、「シトロエンの姉妹車でセルヴィア生産(にもかかわらず)2万ユーロ超え!」「イタリアン・デザインというよりも、カシオGショックに見える」といったものだ。 参考までに、従来の3代目パンダは新たに「パンディーナ(可愛い、もしくは小さなパンダ)」というネーミングで、2030年までイタリア南部ポミリアーノ・ダルコ工場で生産が継続される。 背景には、12年連続でイタリア乗用車登録台数ナンバーワンに君臨するとともに、フィアット500と合わせてシティカー・セグメントで66.5%という高い市場占有率を維持する原動力となってきたことがある。 2024年8月も現行パンダは新車登録台数でトップを維持している。まさに国民車であり、フィアットがこの優位をみすみす逃すはずがない。同時に、かねてからイタリア自動車産業の空洞化に警鐘を鳴らす現イタリア政権への対応であることも明らかだ。 ただし、その従来型はルノー・グループのダチア・サンデロに激しく追い上げられているのも事実だ。2024年8月の登録はパンダ3326台に対しサンデロは2879台で、差は447台しかない。首位を奪還される日が近いうちやってきてもおかしくない。グランデパンダがパンディーナの代わりとなり得る実績を示せるのか、もしくはすでにステランティスが合弁会社を設立している中国「リープモーター」製の環境対策車で補完するのか注目に値する。 いっぽうブランドという、より広い視点に立った場合、グランデパンダは新世界戦略の第一弾という位置づけである。従来フィアットは欧州、南米をはじめ世界で、その地域特性に合わせたモデルを製造販売してきた。グランデパンダ以降はそれをさらに推し進め、スマートカー・プラットフォームに国・地域ごとに最適なパワーユニットを組み合わせて展開する。2027年まで毎年新型車を発売してゆく予定だ。