第94回選抜高校野球 大分舞鶴 休日練習前に地域清掃 「愛される野球部に」と部員発案 /大分
<センバツ甲子園> ◇21世紀枠出場、大分舞鶴 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に21世紀枠で出場する大分舞鶴は、休日の練習前に学校周辺の清掃活動に励む。約20年前から続く伝統の取り組みで、地域の人たちは愛着を持って選手たちに接している。 「甲子園出場おめでとう」「頑張ってな」。センバツ出場が決まった翌日の1月29日、学校やグラウンド周辺でほうきやちりとりを手に道ばたのごみや落ち葉を片付けたり、雑草を抜いたりする選手に地域住民らが温かい言葉をかけた。 野球部OBなどによると、休日の地域清掃は、「地域に愛される野球部」になろうと、選手たちが話し合い、自発的に始めた。公立進学校でなかなか試合で結果が出せない中、勝負の神様に見捨てられないよう、わらにもすがる思いで善行を積んだのだという。 近くに住む河野正博さん(72)によると、街路樹の落ち葉の片付けは、住民だけでは追いつかず、選手たちに助けられている。毎年夏の大会前にはスポーツドリンクの差し入れをするなど交流もあるという。 河野さんは「応援してきた子たちが甲子園に出場するのはうれしい。新型コロナウイルスに気をつけて、無事に甲子園入りし、1勝して波に乗ってほしい」とエールを送る。 熱心にごみ拾いをしていた日野竹琉選手(1年)は「街をきれいにして、地域の人たちに気持ちよく生活してもらいたい。甲子園では一丸となったプレーを披露し、あいさつや態度でもしっかりしているところを見せたい」と話した。【辻本知大】