全体練習後にインタビューに応える小笠原

　中日の小笠原慎之介投手（26）が、5日のDeNA戦（バンテリンドームナゴヤ）で今季の最終登板に臨む。同日は8歳年上のチームメートである田島慎二投手（34）の引退セレモニーが開催される予定。お世話になった先輩への感謝の思いを胸に、本拠地のマウンドへ向かう。 　5日に迎える今季ラスト登板。あと1イニング2／3を投げれば、4年連続で規定投球回に到達する。しかし、小笠原にとって自身のことはあまり関係ない試合になりそうだ。「その日は僕の日じゃないです。しっかり先輩にいい形でバトンを渡せるように頑張ります」。神妙な面持ちで意気込んだ。 　5日は“タジ魔神”こと田島の引退セレモニーの日。2021年から参加している沖縄・北谷での大野組自主トレのメンバーで、初参加の際は大野との橋渡し役をしてもらった。「プロ1年目から遠征先でよくご飯に誘っていただいて、一緒に食事する機会を設けさせてもらった。いいお兄さんみたいな感じです」と感謝する。 　振り返れば、思い出は山ほどある。1年目だった2016年9月4日の巨人戦（東京ドーム）でプロ初勝利。その試合を締めてセーブを挙げたのが田島だった。先発投手と救援投手。立場は違えども、一言では言い尽くせないほどさまざまなアドバイスを受けてきた。 　「基本的には『9回全部投げろよ』という圧というか、応援というか、いつも背中を押してくれていた先輩」。厳しく思える言葉には愛情がこもっていた。叱咤（しった）の後には、必ず「おまえが途中で降りて最後おれが投げるなら、全力でおまえのために抑えにいくから」。8歳年上、プロでも4年先輩のおとこ気に何度も助けられた。