【糖尿病治療】自分に合った続けやすい医院選びのポイントを医師が解説!
糖尿病の薬物療法 日々登場する新薬
編集部: 糖尿病の薬物療法では、どのような薬剤を用いるのですか? 徳井先生: 近年、糖尿病治療薬は大きく進歩しており、「DPP‐4阻害薬」「SGLT2阻害薬」「GLP‐1受容体作動薬」などの新薬が次々と登場しています。 DPP‐4阻害薬とGLP‐1受容体作動薬には似たような働きがあり、インスリンの分泌を助けるだけでなく多彩な効果を有し注目されています。一方、SGLT2阻害薬には、尿に糖を出すことで血糖を下げる働きがあり、体重を減量する効果も期待されます。 編集部: 薬物療法を開始する目安はありますか? 徳井先生: 2~3カ月ほど食事療法と運動療法を続けても、血糖のコントロールが上手くできない場合には薬物療法の開始を検討します。 編集部: 薬物療法は飲み薬のほかにも種類があるのですか? 徳井先生: 内服療法のほか、インスリンやGLP-1を自己注射により投与する治療もあります。
糖尿病治療を受ける際の医院選びの注意点
編集部: 糖尿病の治療を受けるにあたり、医院選びの注意点があれば教えてください。 徳井先生: まずは、糖尿病専門医が在籍している医療機関を選びましょう。糖尿病専門医は高い専門知識だけでなく、豊富な臨床経験を持っています。 糖尿病の治療は病態や症状が一人ひとり異なるため、各々に適した治療をおこなうためには、糖尿病の知識や適切なアドバイスなどが必要です。 編集部: まずは「専門医がいること」ですね。 徳井先生: はい。先述したとおり、糖尿病治療では次々と新薬が登場し、治療の選択肢が増えています。適切な薬の選択が重要であり、そのためには豊富な知識と経験が大切なのです。 編集部: そのほかには、どのような点に気をつければいいでしょうか? 徳井先生: 糖尿病治療で核となるのは、食事療法です。 しかし、年代やライフスタイルなどによって、一人ひとりに適した理想的な食事は異なるので、自分の生活スタイルに合った食事療法を続けていくためには、管理栄養士による「栄養指導」を活用することも有効です。こうした指導をおこなっている医療機関を選びましょう。 編集部: そのほかには? 徳井先生: 糖尿病の治療は長期間に及ぶことが多いため、「自宅から近い」「土日も診察している」など、利便性を考えることも重要です。また、担当医との相性や相談のしやすさなども考慮しながら選ぶといいでしょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 徳井先生: 今や「国民病」となりつつある糖尿病ですが、何よりも早期からの適切な治療が肝要です。ただ、病態や生活環境は個々で異なるため、「オーダーメイドの治療をおこなってくれる」「糖尿病専門医がいる」「通いやすい」などに当てはまる医療機関を受診しましょう。