ムクドリ大群で大騒音被害 「爆竹ドカン」追い出し作戦
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都市部でもよく見られる「ムクドリ」。この小さな鳥が人々の思わぬ難敵になっています。ムクドリの大群が各地で住民を悩ませているのです。数千羽の群れで繁華街の樹木に殺到して夜明かしするため、人声もかき消される異様な騒ぎになります。 そんな悩みを持つ長野市でも10月13日、中心市街地で爆竹などによる追い出し作戦が行われました。ただ今回の作戦でいったん姿を消したムクドリもいつ再襲来するか分からず、しばらくは爆竹作戦の待機状態が続きそう。騒動の背景には、人間社会と周辺の自然環境との折り合いにひずみが生じたためではないかとの見方も出ています。 【写真】相次ぐクマの出没 変わりつつある人間社会とクマの習性
機械のような大騒音にふん害
ムクドリは20数センチの体長で、人家と森の間の農地や林などに生息します。全国に分布し、かつては害虫などを食べる益鳥とされていましたが、果樹など農作物被害が広がり、現在では狩猟鳥として狩猟の対象にできる鳥に含まれています。 農作物被害にとどまらず、最近は東京や大阪府高槻市など全国の都市部でふん害、鳴き声による騒音などの問題が拡大。高槻市では市役所の窓からムクドリが危険を察知したときの声を拡声器で流すなど懸命の対策ですが成果は上がっていないようです。ほかに新潟県や宮崎県などでも自治体などが対策に取り組んできました。
このうち長野市では今年2月、市中心部の鍋屋田小学校の校庭の樹木にムクドリが押し寄せました。大学の鳥類の専門家の協力でムクドリを襲う天敵のフクロウの鳴き声を聞かせるなどしていったんは収まりましたが、夏が近づくころから今度は市内有数の繁華街、権堂町(ごんどうちょう)のアーケードわきの神社などの樹木に襲来。夕刻から数千羽がが入り乱れて、ほとんど機械の騒音に近い「ジャー」という鳴き声とふんのまき散らしで買い物客らを困らせました。 7月下旬に、大きな音でムクドリを脅し退散させるために爆竹を鳴らす作戦を実行。いったんは姿を消しましたが、最近になってまた姿を現し、午後5時過ぎから 境内の樹木などに集まってねぐらとするようになりました。神社の参道はムクドリの白いふんで汚れ、時には通行人の頭に降りかかる騒ぎに。このため13日、再度の爆竹作戦となりました。