<江口洋介&蒔田彩珠>“親子”からバディーへ「忍びの家」に続いての共演 「誰かがこの町で」インタビュー
--本作のテーマでもある同調圧力について、どのように捉えていますか。
江口さん 圧力をかけてないのに受けている方がそう感じちゃうのも同調圧力だよね。一人一人は圧力をかけてないのに、集団になると暗黙(の了解)というか。一人でもかけられていると感じた人が現れた瞬間に圧力に変わる不思議なこともある。気をつけなくてはと思います。
蒔田さん 気づきにくい面もあるので難しいですね。
江口さん 気づかないことがほとんどですが、それが同調圧力になっている場合もあると思う。でも、きっと同調にはいい部分もあると思うし、同調していくことで何か絆ができたり、輪が広がったりするケースもあります。
◇「忍びの家」とのギャップに感嘆
--お二人は「忍びの家」では親子役を演じられていました。再びの共演はいかがでしたか。
江口さん 「忍びの家」は特殊な家庭だったね(笑)。今回も話が進んでいく中で疑似家族的な関係になっていくので、最初の方はいい距離感を作りつつ芝居をやっていく感じでした。台本を読み、蒔田さんが麻希役と聞いて、「忍びの家」のときに見た、ちょっと陰があるようにも見える“目”を思い出して楽しみにしていました。
蒔田さん 「忍びの家」では(江口さんと)親子役だったのもあり、私の中では明るい江口さんという印象でした。今回は作品のテイストもありますがギャップが大きくて、すごい俳優さんだなと改めて感じました。
--お互いの俳優としての魅力は?
江口さん 「忍びの家」のときに話した感じでは、自然体で芸能界の匂いがしないので、俳優さんとしてこのまま行ってほしいなと思いました。父親役をやったからそういう目線でいたかもしれません。今回は難しい役どころをどういうふうにするのかと思っていたら、うつむいた時の陰みたいなのも表現できていたし、日に日に変化して、成長しているので今後も楽しみです。
蒔田さん 常に周りの俳優さんとシーンをどうするかについて話し合い、どうしていきたいかを気にかけてくださっていて。それを受け止めてくださった上で、ご自身のこうしたいということを表現されているなと感じました。