【2歳馬ジャッジ】2023年の2歳戦総復習(2) 牡馬芝路線のトップは札幌2歳S圧勝のセットアップ
6位 シュトラウス
6月東京の不良馬場の新馬戦は折り合う競馬をしようとしたが、外枠で前に壁を作れず、コントロールに苦労して逃げ馬に並びかけ、結局3角手前で先頭。4角では2番手と1馬身ほどの差をつけていたが、ラスト2Fで後続を引き離し、ラスト1Fでは独走状態。結果9馬身差で圧勝した。この新馬戦はタフな馬場で長くいい脚を使っており、強いことは確か。ただスピードよりもスタミナの豊富さを感じさせる内容で、末脚の鋭さを求められる2歳戦ではやや苦戦する場面もあると見ていた。 次戦のサウジアラビアRCではやはり瞬発力不足で上位馬の決め手に屈する形で3着に敗れた。しかし、続く東京スポーツ杯2歳Sは距離が延びたこと、ひと叩きされて体調面が良化していたこともあり勝利。同レースは7番枠からまずまずのスタートを切って3番手を追走し、残り300m付近で先頭。しぶとく食らいつくシュバルツクーゲルを振り切って1馬身半差で完勝した。 新馬戦時の2歳馬ジャッジで比較対象として挙げたハーツコンチェルトよりも、新馬戦時の指数が高かったぶん素質開花は早かったようだ。続く朝日杯FSでは外の17番枠から出遅れ、折り合いを欠きながら3角で先頭に立つ無茶なレースぶりで大敗したが、ほぼ参考外と言っていいだろう。折り合いの難しさはこれまでにも感じていたが、朝日杯FSでは暴走した形。それでも能力は高い。条件がそろえば当然の巻き返しを決めてくれそうだ。
6位 ダノンエアズロック
6月東京の稍重馬場で行われた新馬戦は抜群のスタートを決めてハナを主張したが、道中で内の馬を行かせて2番手を追走。残り300m付近で先頭に立ち、そのまま押し切り1馬身1/4差で完勝した。ラスト2Fは11秒6-12秒0。ややタフな馬場の一戦で2歳馬としては消耗度が高く、ダメージが残りそうな内容だった。かなりの評判馬ではあるが、この後の使われ方次第では早熟馬になってしまう可能性があると見ていた。 次戦は10月のアイビーSに出走。4ヵ月半としっかり休ませて疲労が抜けたのだろう。6番枠から好スタートを決めたホウオウプロサンゲが逃げて本馬は2番手。やや出遅れた1番人気レガレイラは3列目の外3番手につけた。ペースはかなりのスローで最後の直線ではホウオウプロサンゲが突き放した。最後はレガレイラが差してくるかと思いきや、グイッと伸びてきたのは本馬。ここで後のホープフルS勝ち馬レガレイラを完封し、上がり3Fタイムは32秒7。とにかく強く、非凡な素質を感じさせた。 また、本馬が勝利した新馬戦のメンバーのなかでは、4着馬サンライズジパングに注目。新馬戦後は3ヵ月半しっかり休ませ、若駒Sを勝利するまでに成長した。一方、新馬戦後に続戦した馬たちは疲労から伸び悩んでいる。ここまでの2戦を順調に消化し、さらなる上昇が期待できるダノンエアズロック。評判が高い馬を高評価するのは面白くないが、現時点ではケチのつけようがないクラシック候補と言える。