【2歳馬ジャッジ】2023年の2歳戦総復習(2) 牡馬芝路線のトップは札幌2歳S圧勝のセットアップ
3位 シンエンペラー
11月東京の新馬戦は抜群のスタートを決めて1馬身くらい前に出たが、外からハナを主張する馬を行かせて、2列目の最内を追走。道中で前にやや離され3列目あたりまで下がったが、促されると3~4角で前との差を詰め、直線で逃げ馬の外へ誘導した。そこから狭いスペースを割ってあっさり抜け出し、3馬身差の完勝。ラスト2Fは11秒1-11秒0と優秀な内容で、この時点でかなりの高評価をした。 次戦は京都2歳S。強敵がそろった一戦だったが、鞍上J.モレイラ騎手ということもあって1番人気。レースはやや出遅れて進みが悪く、後方からの追走となったが、最後の直線では馬群を捌いてしぶとく抜け出し、優勝した。ただ着差は半馬身差とわずかの勝利で、指数もそこまで良かったわけではない。続くホープフルSでは、まだ全幅の信頼がおける馬ではないと見ていた。 ホープフルSは6番枠からまずまずのスタートを切って、そこから押して好位の最内を追走。道中はスペースを維持して追走していたが、3~4角で前がペースを落とし、ここでスペースを詰めてブレーキ気味で仕掛けを待たされた。4角で外に出してやや膨れたが、直線序盤で早々と先頭に立って一気に後続を突き放した。しかし、ラスト1Fでやや甘くなったところをレガレイラにかわされ3/4差つけられた。 最後はレガレイラの末脚に屈したが、負けて強しの2着。一戦ごとの成長力が凄まじい。スタミナも豊富で、さすが凱旋門賞馬の全弟と思わせる成長ぶりだった。兄ソットサスは勝ったり負けたりしながら着実に成長していった馬。シンエンペラーも今後の成長には大きな期待が持てる。春のクラシック戦線でも活躍必至。秋には海外の大舞台に立っている可能性も十分だ。
3位 ゴンバデカーブース
6月東京の新馬戦は逃げて1馬身3/4差をつけて快勝。最後に余裕があった感じではなく、ラスト2Fは11秒4-11秒8。逃げて勝利する馬は着差以上に強いことが多いことは確かだが、この時点ではそこまで高い評価はできなかった。 驚かされたのはデビュー2戦目のサウジアラビアRC。ここには新馬戦を好指数勝ちしたボンドガール、シュトラウスが出走。順調に使われていた馬では、前走内容が強かったレーヴジーニアルが出走しており、かなりの強敵がそろう一戦だった。 レースは2番枠から五分のスタートを切って中団を追走していたが、前のエコロマーズが下がって来たのに巻き込まれ、下がってしまった。ここで思い切って最後方まで位置を下げ切り、3~4角では中目でスペースを詰めながら進出。4角でマリンバンカーが外に膨れたことで開いたスペースを拾、4角出口でスムーズに外。上手く脚を溜めたことで最後の直線で末脚を炸裂させることができ、2着に2馬身差をつけて快勝した。 ボンドガール、シュトラウスがチグハグなレースとなり能力を出し切れなかったことは確かだが、素晴らしい瞬発力だった。最後方待機策がハマったときの爆発力を再認識させられた一戦だったとも言える。体調が万全になれば、瞬発力の鋭さからマイル前後での活躍が期待できそうだ。