中上貴晶、ホンダ最上位もチャタリング発生「少しラインを外すとすべて失う」/MotoGP第12戦アラゴンGP スプリント
8月31日、2024年MotoGP第12戦アラゴンGP MotoGPクラス 2日目のセッションがスペインのモーターランド・アラゴンで行われた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は予選を18番手で終え、スプリントはホンダ勢最上位の14位でフィニッシュした。 【写真】中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)/2024MotoGP第12戦アラゴンGP 2日目 2年ぶりの開催となったアラゴンGPの舞台となるモーターランド・アラゴンは、中上が2020年にポールポジションを獲得したこともあり、得意なサーキットのひとつとしている。ところが、今大会を前に全面的な路面の改修工事が行われ、中上は再舗装された新しい路面と接地感のないフィーリングに苦戦。初日は厳しい走り出しとなってしまった。 しかし、チームメイトのヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)は、ホンダ勢にとって今季初の予選ダイレクトQ2進出を果たした。苦境が続いているホンダ勢にとって、このザルコの結果は非常に大きな前進と言えるだろう。そのため、中上はザルコのデータも元にマシンの改善に努め、予選とスプリントにおいて決勝を見据えてのセットアップも進めていくことになる。 そして2日目を迎えたアラゴンは、朝から上空に分厚い雲が覆い、コース上にはウエットパッチが残り、初日とは異なるコンディションに。しかし、ライン上はほとんど乾いていたこともあり、フリー走行2回目と予選Q1は中上を含めた全車が終始スリックタイヤで走行していた。 臨んだ予選Q1では、中上はまずフロントとリヤともにソフトタイヤでアタックを開始し、1分50秒275をマーク。中盤過ぎたあたりの時点では11番手となっていたが、終盤には1分49秒081と大幅にタイムの短縮に成功させ8番手で終えた。なおこのタイムは、予選Q2にてザルコが出した1分49秒080に迫るものとなった。 午後のスプリントは中上を含む全車がミディアム/ソフトのタイヤを選択。18番グリッドから臨んだ中上は、スタートで一時最後尾までポジションを落としてしまう。しかし、早々から前方を走るライダーの転倒もあり、2周目には15番手まで順位を上げる展開となった。 スプリントではグリップ不足とチャタリングを感じたために思うようなアタックができなかったというが、後方集団の中でも比較的速い好ペースでラップを刻んでいた。そしてラストラップではさらにひとつ順位を上げることとなり、最終的に14位でチェッカー。初日は最下位と厳しいスタートとなったが、スプリントではホンダ勢最上位でフィニッシュして見せた。 中上は初日に苦戦することが多い傾向にあるが、厳しい状況下の中でもスプリントや決勝とレースにおいては、上手くアジャストさせていることがここ数戦でも伺える。日曜日の決勝レースでは、今季8度目そして4戦連続でのポイント獲得に向けて引き続き準備を進めていく。 ■LCRホンダ・イデミツ 中上貴晶(予選:18番手、スプリント:14位) 「今日の主な課題は路面コンディションの状況を把握することでした。ほとんどのライダーが同じ問題で苦労していることに気づきました。少しでもラインを外すと、すべてを失うことになります」 「なので思うようにプッシュできなかったので、最低限ミスをしないように心がけました。ポイント獲得には届きませんでしたが、スプリント中のペースには満足しています。明日のレースに向けては一歩前進できるように頑張ります」 [オートスポーツweb 2024年09月01日]