予選最速のトヨタ、マティアス・ロッシは届かず。王者リオネル・ペーニャが3連覇達成/TC2000第10戦
シリーズ最大の“クラシック”として、国際ゲストを多数招いて争われる『ブエノスアイレス200km』を終えたアルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権TC2000の第10戦が、引き続きTCRサウスアメリカ・シリーズとの併催で11月8~10日にテルマス・デ・リオ・オンドで開催され、走り出しのフリープラクティス(FP)と予選ではTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアの“絶対エース”ことマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラTC2000)が先行する展開に。 【写真】マティアス・ロッシがドライブする“ブラックTGRカラー”のトヨタ・カローラTC2000 しかし決勝2ヒートではルノー陣営のアクシオン・エナジー・スポーツが逆襲を披露する結果となり、初戦は競技規則で最上位グリッドからスタートしたファクンド・アルドリゲッティ(ルノー・フルーエンスGT)の83号車が今季2勝目を獲得。そしてレース2のスタートで僚友からポジションを奪った“3冠”王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が今季4勝目を挙げ、これで2019年、2022年、2023年に続く3連覇で、自身4度目のシリーズチャンピオンを決めている。 王者経験者を筆頭にTCRとの掛け持ちで争われることになった週末は、2022年6月以来、約2シーズン以上ぶりに復帰するテルマス・デ・リオ・オンドが舞台となり、最初のFPではYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)を抑えた“5冠”王者ロッシの最速で幕を開ける。 そのままFP2でもトップタイムを記録した117号車のカローラは、予選Q1こそペーニャのルノーに譲ったものの、続くQ2では最上位を奪い返して今季初となるポールポジションを奪取。本格的なシリーズ復帰イヤーで、キャリア通算22回目の予選最速となった。 ■ペーニャが自身4度目の王座をシリーズ3連覇で飾る 土曜現地午後17時10分にスタートが切られた20分+1周のレース1は、南米特有のインバーテッド・グリッド規則により予選4番手タイムだったアルドリゲッティがポールからターン1に向かうと、すぐ隣に並んでプレッシャーを掛けてきた僚友のチャンピオンを抑え込むことに。 その瞬間から、アルドリゲッティは懸命にトップポジションを守り抜き、2位のペーニャと3ポジションアップで3位まで這い上がったロッシを従え、キャリア通算3勝目を飾ってみせた。 これで明けた日曜のレース2もふたたびアルドリゲッティとペーニャのフロントロウでシグナルが消えると、前日同様にアウトサイドからの仕掛けで今度は現役王者がオーバーテイクに成功。そのまま18周を走破し、ペーニャが自身4度目の王座をシリーズ3連覇で飾るとともに、チームとルノーのブランドにもチャンピオンシップ制覇の栄誉をもたらした。 残る最後の表彰台には、最後までYPFホンダRVレーシングのフランコ・ヴィヴィアン(ホンダ・シビックTC2000)を抑え切ったロッシが続くも、この時点でランキング首位のペーニャが310点、同2位ロッシが215点と逆転不可能なポイント差まで開き、各タイトル争いは終焉を迎えることとなった。 [オートスポーツweb 2024年11月16日]