パルマGK鈴木彩艶ら若手を育成する元Jリーグクラブ指揮官ペッキアに伊紙注目「弁護士と呼ばれるが小学校の先生」
日本代表GK鈴木彩艶が所属するパルマの指揮を執るイタリア人指揮官ファビオ・ペッキアについて、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が22日、特集記事を組んだ。 昨シーズンにセリエB優勝を飾り、セリエAで3年ぶりのシーズンに臨むパルマ。ここまでリーグ戦12試合を終えて12ポイントを獲得して13位につけている。そんな中、イタリア紙は2022年からチームを率いるペッキアに注目した。 かつてアビスパ福岡で指導した経験もあるペッキアについて「クレモネーゼをセリエA昇格へ導いた直後の2022年夏にパルマへやって来た」と紹介。「指揮官のミッションは、エミリア地方のクラブを再び高みへと導くこと」だったが、昨シーズンにその目標を達成し、今シーズンはセリエA残留という新たな目標に挑戦していることを伝えた。
■パルマはセリエAの小学校
今夏に大型補強を行った昇格組のコモとは一線を画し、ペッキアが2年前から育ててきた若手の多くをチームに残してさらなる成長を目指しつつ、セリエAに臨んでいるパルマ。今シーズンからチームに加わった鈴木も試合をこなすごとに進化を見せており、イタリア紙は、ペッキアを育成型の指揮官として位置付けている。 「界隈では、法学部卒業の彼を“弁護士”と呼んでいるが、彼を描写するのにより適した言葉は“先生”だろう」と指摘。「漠然とした意味ではなく、彼はまさに本物の“小学校の先生”だ」と主張した。「なぜならファビオ・ペッキアは、経験のない生徒に取り組む教師と同じスピリットとメソッドで仕事に取り組んでいるからだ」と説明。セリエA初挑戦の選手が多く、リーグ内で最も若いチームを、小学校のクラスに例えた。 同紙はそのうえで、「ミランを倒し、開幕節でフィオレンティーナと引き分け、トリノでユヴェントスを脅かした。ナポリで現在首位のチームに負けたのは、スズキの退場後、ゴール前にDFが立たなければならなかったからだけだ」とパルマの快進撃に言及。「これまでのところ、ペッキアの生徒たちは、いくつかの宿題(ウディネーゼ戦、カリアリ戦、ジェノア戦)を除けば、この“学校”にとどまり、残留を懸けてプレーすることができることを証明してきた」と評価し、パルマの選手たちに合格点を与えた。 さらにペッキアのチームが「ラファ(エル)ベニテスの戦術授業と、心理面は彼の師である(ヴヤディン)ボシュコヴから生まれた」と分析。「ペッキアの優秀さは、出会った指揮官全員から何かを学び、授業内容を整理して凝縮し、まるで“先生”のように彼の指示を仰ぐ若いチームに、それを提案したことだ」と称えた。