もうすぐ「離婚」します。財産分与で夫名義の「不動産」を受けることになりましたが、税金を払う必要があるのでしょうか?
財産分与と譲渡所得税
財産分与が土地や建物、株式などで行われたときは、財産を分与した人に譲渡所得の課税が行われる場合があります。たとえば、不動産を財産分与した場合、譲渡時の時価が取得価額より高かった場合、譲渡者に譲渡所得税が課税されます。 次に、分与を受けた人は、分与を受けた日にその時の時価で土地や建物を取得したことになります。したがって、将来、分与を受けた土地や建物を売ったときには、財産分与を受けた日を基に、長期譲渡になるか短期譲渡になるかを判定します。 ところで、マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3000万円まで控除ができる特例があります。さらに、所有期間が10年を超える場合は、通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例の適用を受けることができます。 特例の適用を受けるための要件のひとつに、「売り手と買い手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと」があります。この特例の特例を受けるには、分与は離婚後に行います。
財産分与と不動産取得税
不動産取得税は、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得した際に(相続などの場合は除く)、取得した方に対して課される地方税です。不動産の取得について、有償・無償の別、登記の有無、取得原因は問いません。 不動産取得税は、不動産の価格(固定資産評価額)に対して、原則4%の税率になります。ただし、土地および住宅用家屋については、現在、税率が3%に軽減される特例措置が設けられています。 財産分与は、婚姻中、夫名義で財産形成がなされても、妻が家事等を分担して夫を支えていたときは、財産形成においても実質的には夫婦共同で築き上げたといえます。このように、財産分与が清算的な意味合いを持つ場合、不動産取得税はかからないとされています。 したがって、実際に夫婦の共有名義となっていた不動産の相手方持分を取得した場合や財産分与が扶養的、慰謝料的意味合いを含む場合には不動産取得税は課税されます。