テスラ株、約11年ぶりの大幅高-マスク氏の大胆な2025年目標好感
(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは24日の米国株式市場を、約11年ぶりの大幅上昇となる22%高で終えた。23日発表した7-9月(第3四半期)決算が予想以上に強く、同社は来年の納車台数が最大30%増えるとの見通しを示した。
7-9月期の利益を押し上げたのは、初めて黒字化した電動ピックアップトラック「サイバートラック」の販売や、エネルギー貯蔵事業、排出ガス規制の順守を目指す他の自動車メーカーへの規制クレジット販売だった。だが株価は将来への期待感からも追い風を受けた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこの日の電話会見の大部分を、テスラを世界で最も価値のある企業にすると約束する長広舌に費やし、手始めに来年の納車台数を20-30%増やすと表明した。
また、今年の設備投資額の見通しを110億ドル(約1兆6700億円)以上とし、従来の100億ドル以上から引き上げた。
過度に楽観的な予定を立てがちなことで知られるマスク氏は、テスラが来年、テキサス州とカリフォルニア州で配車サービスの正式展開を目指すことも明らかにした。公道での走行には規制当局の承認が必要だが、マスク氏の発言を受けてライバル企業のウーバー・テクノロジーズとリフトの株価は下落した。
マスク氏はまた、「サイバーキャブ」と呼ぶロボタクシー(無人タクシー)専用車の生産が2026年に本格的な量産体制に入り、少なくとも200万台、「最終的にはおそらく400万台」を目指す方針も示した。
ディープウォーター・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ジーン・マンスター氏は、決算発表に期待していた投資家が「予想を上回る利益と納車台数の伸び見通しを得られた」と述べ、「長期投資家は黄金のニンジンを手に入れた」と指摘した。
マスク氏はさらに、テスラが来年、手頃な価格のモデルを発売する方向だと述べたが、トヨタ自動車の「カローラ」のような大衆車と競合するEVを投入するという一部投資家の長年の期待を打ち消した。代わりにテスラは価格が3万ドル前後からとなるサイバーキャブに重点を置いていると述べ、通常の2万5000ドルのEVは「無意味」だと語った。