マテリアル、住宅、ヘルスケア…多様な事業領域を展開する「旭化成」がDX推進のなかで直面した“3つの課題”とは?
◆DX推進には「人・データ・組織風土」が大事
DX推進に取り組むうえで、久世さんは“多様性”を重要視していると言います。「自分たちのDXを変革しようとしたときに、そのためのアイデアや発想は、ずっと昔から一緒に仕事をしていた人たちだけでやっていても、なかなか出てこないと思っています。そこで、営業・マーケティング、研究・開発、生産・製造、物流などの違う分野の経験であったり、海外事業もおこなっていますので、日本だけでなく海外の人たちも一緒になって、新しいアイデアを出しながら価値を創造していく。そんな多様性は本当に不可欠だと思っています」と力を込めます。 そうしてDX推進に注力してきた久世さんが考える“DXに大事なこと”として、人・データ・組織風土の3つを挙げ、「“人”は全体を推進してリードしていく、新しい考え・アイデアをもって事業を変革していくようなリーダー。それからデータは本当に宝の山なので使っていきましょうと。最後に、そういうことを“みんなで頑張って変えていこうよ!”という(前を向いた)組織風土。その3つが大事だなと思って取り組んでおります」と語ります。 その一方で、「日本って、大きな企業だけじゃなくて、中小で頑張っておられる企業がたくさんあります。我々もそういった企業の皆さんの助けがあって事業ができています。DXとかデジタル化は、1社だけ取り組んでいても全然効果が出ないので、これからも我々の関係会社や協力会社の皆さんとともに一緒にやっていきたい」とも。 さらに、DXは欧米のやり方をただ単にマネればいいというわけではなく、日本ならではの良さや強みがあるとし、「各社が一緒になって、デジタルのレベルを日本全体として上げていかないと。やっぱり世界を追い越したいですし、リードしたいなと思っていますので」と未来を見据えていました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年6月29日(土)放送より)