[NEW BALANCE CUP]悔しさや恩師、先輩の教えを糧に。大きなエンジンと得点感覚兼備のFW若槻大雲が立正大淞南を勝たせるストライカーに
[1.5 NB CUP準々決勝 立正大淞南高 0-4 鹿島学園高 時之栖裾野E2] 【写真】福田師王が大胆イメチェン「ライオンじゃん」「圧倒的金ピカ」 スケール感の大きなストライカーが2025年シーズン、チームを引っ張る、チームを勝たせる存在になる。島根の名門、立正大淞南高が「NEW BALANCE CUP 2025 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権、静岡・時之栖スポーツセンター)に参戦。1次リーグAグループを首位通過し、5日午前の決勝トーナメント初戦で日本文理高(新潟)を2-0で下した。 同日午後の準々決勝では鹿島学園高(茨城)と対戦した。前半、左サイドから果敢に仕掛けるMF西森永眞(2年)が加速力とキレのある身のこなしで一際目立つ存在に。相手の注目SB中原瀬那(1年)とハイレベルな攻防戦を繰り広げ、シュート、クロスまで持ち込んでいた。 またDF陣がゴール前で粘り強く守り、中央からパスを繋いで注目エースFW若槻大雲(2年)までボールを届けようとしていた。若槻は180cm台半ばのサイズと「(片足跳びでのトレーニングや、スクワットなど)南(健司)先生とか野尻(豪)先生が、自分が速くなるためのトレーニングっていうのを結構、毎回やってもらって」より向上したというスピードを兼ね備えた大型ストライカー。相手の注目CB齊藤空人(2年)とのマッチアップで自分の武器を発揮しようとしていた。 抜群のスプリント力とDFを抜き切らずにシュートを決め切る力も備えた大器。だが、この日は前から行き切ることを徹底する鹿島学園の守りに苦しみ、ボールを受けるシーンやスペースへ抜け出す回数を増やすことができない。 チームは後半、中盤の要を担うMF豊田寛太(2年)が前への姿勢を強め、セットプレーからチャンスも作ったが、突き放されて0-4で敗戦。若槻は「こういう試合になった時に全然決めれてないんで、こういう試合で決められるように。苦しい時とかに自分の一発で勝たせられるようにしたい」と唇を噛んでいた。 立正大淞南は昨秋の選手権予選で準決勝敗退。1-1からのPK戦で敗れて全国大会に届かなかった。若槻は交代出場したが、「(対戦した益田東高に)結構引かれてたんですけど、でも、そこで点取れないっていうのは、やっぱ自分の責任っていうのは、結構あると思います」と振り返る。 若槻はインターハイで1得点を記録しているほか、プリンスリーグ中国などで得点しているが、先輩FW三島拓人(3年)やFW郷原巧実(3年)のお膳立てがあって決められたと自己分析する。今年は自分の力でゴールを生み出せるような選手へ。そして、点差のついた状況ではなく、1点を争うような展開で決める選手、複数得点決められる選手にならなければ、チームを勝たせることはできないと考えている。 その覚悟がある。「ゴール前抜け出しても、結局最後無理やり行ったら行けるっていうとこでも、無理やり行かない、パス出してしまうとかっていうところがあるんで、自分としてもそこでやっぱ怖さを出さないといけない」。自分が打ち切ること、その上で決め切ることにもこだわっていく。 昨年、先輩の大阪体育大FW古山兼悟(4年、C大阪内定)が教育実習のために来校。「兼悟君に教わったのは、やっぱ一番はゴール前の泥臭さ」。加えて大阪体育大の競り合いのメニューを教わり、ターンや古山が得意とする裏抜けも徐々にレベルアップしたという実感を持っている。その力をさらに磨き続け、「(チームで)いい成績残して、選手権は絶対行って、日本一取りたい」 非常に大きなエンジンを持つストライカーの現時点での進路についての考えは、立正大淞南の先輩たちのように、大学サッカーで抜きん出た存在になってプロへ。その先に「(先輩FW金園英学が日本代表に選出されているが、Aマッチに出ていないため)自分がそこで(立正大淞南史上)初めてになりたいなっていうのはあります」という目標がある。これまでの悔しい敗戦や恩師、先輩の教えを糧に進化を続けてプロ、日本代表へと羽ばたく。
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