大成功! 夏の補強で大躍進した歴代Jリーグクラブ6選。もし補強してなかったら…。後半戦大爆発したクラブとは
名古屋グランパス(2018年)
最終順位:15位(12勝5分17敗) 補強期間前順位:18位(2勝3分10敗) 主な夏の補強選手:中谷進之介、丸山祐市、前田直輝、相馬勇紀 2016年に屈辱のJ2降格を喫した名古屋グランパスは多くの主力が退団したものの、夏に補強したガブリエル・シャビエルが大活躍を見せ1年でJ1復帰を果たした。オフシーズンには元ブラジル代表FWジョーや、オーストラリア代表GKミッチェル・ランゲラックといったビックネームを獲得。風間八宏監督が築く攻撃的なサッカーに磨きをかけ、開幕2節を連勝でスタートする順調な滑り出しを見せていた。 しかし、名古屋は突然長いトンネルに入り込んでしまう。第3節以降勝てない日々が続き、8連敗も喫した。特に守備の崩壊が顕著で、8連敗中3失点を喫したのが6試合と、テコ入れは必須の状況だった。 当然名古屋も守備陣の補強に取り掛かり、柏レイソルから中谷進之介、FC東京から丸山祐市を獲得。さらに松本山雅FCから前田直輝を獲得し、攻撃陣の厚みを増すことにも着手した。 この補強はさっそく実を結ぶ。第19節ベガルタ仙台戦で第2節以来の勝利を記録すると、この試合からリーグ戦7連勝を記録。当時早稲田大学に在籍していた相馬勇紀の加入もあり、攻撃陣はリーグ4位の52得点を記録するなど爆発した。最終節の湘南ベルマーレ戦では2点を先制されるも何とか追いつきドロー。得失点差までもつれたJ1残留争いをなんとか耐え凌ぎ、逆転でのJ1残留を決めることとなった。 この夏に補強した4選手は、2021年のYBCルヴァンカップ制覇時の主要メンバーでもある。緊急補強で獲得した選手たちは、名古屋に2011年以来のタイトルをもたらす原動力となった。
ヴィッセル神戸(2019年)
最終順位:8位(14勝5分15敗) 補強期間前順位:12位(6勝3分8敗) 主な夏の補強選手:ジョアン・オマリ、トーマス・フェルマーレン、飯倉大樹、酒井高徳など ヴィッセル神戸は2017年にルーカス・ポドルスキ、2018年にアンドレス・イニエスタと世界で大活躍を収めてきた選手を補強し、Jリーグの話題をさらってきた。しかし、リーグ戦の順位は9位、10位と中位から抜け出すことは出来ず、翌シーズンも大補強を敢行することとなる。ダビド・ビジャとセルジ・サンペールの獲得でバルセロナ色を強め、山口蛍、初瀬亮など日本代表クラスの実力者も加入し、クラブへの期待感は高まっていた。 開幕5試合は3勝1分1敗でリーグ4位と好調な滑り出しとなったが、そこからリーグ7連敗で順位が急降下。ポドルスキのキャプテンはく奪や前半戦で2度の監督交代など、チームとして不安定な期間が続いていた。攻撃陣はビジャ、イニエスタ、ポドルスキからなる「VIP」トリオや古橋亨梧の活躍で好調だったものの、前半戦で3失点以上の試合が4試合と守備が壊滅的だった。 そのため、神戸は夏に大型補強に乗り出す。元バルセロナのトーマス・フェルマーレンや日本代表経験のある酒井高徳、ジョアン・オマリや飯倉大樹などJリーグで実績を残してきた選手も獲得した。補強後も不安定な守備が露呈する試合はあったものの、第23節終了時点で15位だった順位は8位まで持ち直し、チームを立て直すことに成功した。 神戸はこの年の天皇杯で決勝まで勝ち進み、決勝では鹿島アントラーズ相手に完封勝利を飾った。これが神戸にとってクラブ史上初のタイトルであり、クラブの歴史に刻まれるシーズンとなった。